筑波大学は20~39歳の男女を聴覚障害のある人とない人に分けて、喫煙や配偶者の有無を比べた結果を発表した。
聴覚障害のある女性は、ない女性と比べて喫煙者となる可能性が約1・8倍高いことがわかった。男性は障害の有無で大きな差はなかったという。米科学誌に論文が掲載された。
同大の田宮菜奈子教授と大学院生の小林洋子さんらは、厚生労働省が行った統計データを許可を得た上で分析した。加齢によって聴覚障害となる人が増える40歳以上を除いた、男女計13万6849人を対象とした。
聴覚障害のある女性が配偶者のいない可能性は、障害のない女性の約1・3倍に達した。男性の場合は正反対の結果が得られ、聴覚障害のある男性は、ない男性よりも約1・3倍配偶者のいる可能性が高かった。「精神的に健康ではない」可能性は、聴覚障害のある女性はない女性の約4・9倍、障害のある男性はない男性の約5・7倍といずれも高かった。
喫煙や配偶者の有無で男女の違いが大きかったことについて、研究チームは、「聴覚障害者をひとくくりに捉えるのではなく、性別の違いを視野に入れた支援の検討が重要」としている。
(2015年2月24日 読売新聞)
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