1月中旬、ついに来た。わが家にも、オレオレ詐欺の電話が。午前11時ごろ、受話器を取った妻は、「もしもし、オレ」という定番のせりふにピーンときたらしい。「もしもし」とだけ応じていると、予想通り「分かんないかな」と名前を聞き出そうとする。妻は「もしもし」だけの応答を続け、詐欺と確信して、電話を切った。この間、わずか1分ほど。安堵(あんど)の思いよりも、詐欺行為への怒りがこみ上げてきたという。
平成26年に岩手県警が認知したオレオレ詐欺など特殊詐欺の被害は84件で、被害額は4億2800万円に上った。前年に比べて31件多く、被害額は500万円増えた。オレオレ詐欺に限れば、18件、1億1900万円で、前年より12件、9千万円も多かった。
県警が特殊詐欺の被害者にアンケートを取ったところ、回答した75人中24人が「最初は相手の話を不審に感じた」という。県警幹部は「会話が成立した段階で、『8、9割方はだませる』と供述した容疑者もいる。だまされないぞと思いながら、話をしているうちに巧みな話術に引き込まれ、相手のペースにはまってしまうケースもある。不審に思ったら、すぐ電話を切ること」と話す。
被害者の4人に3人は65歳以上の高齢者。しかし、20代の若い人もだまされた例があるという。
オレオレ詐欺は人ごとではない。油断は禁物だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150223-00000031-san-l03