春になると食卓に出ることもある「ふきのとう」。独特な苦味やクセがありつつも、一度食べると病みつきになる、ちょっと大人な味がします。そんなふきのとうですが、「食べたことがない」「そもそもどんなものなの?」と、知らない人も多いのではないでしょうか?ここでは、そんな「ふきのとう」の基礎知識についてご紹介します。
■ 「ふきのとう」って?
ふきのとうは、日本原産のキク科の草。山の斜面や河川の中洲、林などに多く見られ、地方だけでなく郊外でも見つけることができます。水があって風の影響をあまり受けない水路や土手によく芽を出しています。ちなみにフキは葉がついている茎のほうをさし、ふきのとうはフキが春につける花のつぼみのことを指します。日本一の生産量を誇るのは愛知県!おいしいふきのとうを食べたいのなら、春に愛知県へ足を運ぶのもいいですね。
◎ ふきのとうは春の山菜
みずみずしいグリーンのつぼみが静かに花開いていく姿は、とっても愛くるしいもの。ふきのとうが芽生え始めるのは、冬の終わりから春の始めにかけた2~3月。寒い冬を抜け出し、春の訪れを運んでくる可愛い山菜としても、親しまれています。
◎ ふきのとうの相場
一般に流通してスーパーで売られているふきのとうは10個入りで300~500円が相場。意外とお高めなのは、日持ちがしないことと、限定されたシーズンにしか食べられないことが理由のようです。とはいえ、春の代表的な山菜のひとつであるふきのとう。少々お高めでも、春の気分を味わいのなら食卓に並べてほしい食材の1つです。
■ 「ふきのとう」を食べるには?
◎ ふきのとうの「食べごろ」
2~3月に散歩のついでにふらっと土手に立ち寄れば、自分でも摘みに行けるのがふきのとう。「つぼみが開いている状態のほうが立派!」と、花の開いたふきのとうに手を伸ばしたい気持ちになる人もいるのでは。しかし一般的に、ふきのとうの食べごろは「つぼみの状態」といわれています。その方がふきのとう独自の苦味が少ないからです。とはいえ、ふきのとうのプロであったり、食通だったりする人や、一定の地域では、「この苦味がたまらない!」と、花の開いた状態のふきのとうを好むこともあります。調理の仕方によってもふきのとうの好まれる状態が変わってきます。
◎ 毒があるのでアク抜きしよう
小さなフォルムがかわいらしいふきのとうですが、実はちゃっかり肝毒性の強いピロリジジンアルカロイドが含まれています。ピロリジジンアルカロイドとは、肝癌や肝中心静脈血栓症を引き起こすもととなる毒です。そのため、食べるときにはアク抜きをしたほうがいいでしょう。また、大量に摂りすぎると肝臓にダメージを受けるので、美味しいからといって食べすぎないように気をつけたいところ。
◎ 「ふきのとう」を使ったレシピ
ふきのとうを使った有名どころのレシピはだいたい次のようになります。
・天ぷら
・佃煮
・味噌汁
・煮物
・スパゲッティ
・ふきのとう味噌(通称:ふき味噌)
クセのある香りが強く、独特な苦味をもつふきのとう。ご飯のお供として味噌や佃煮に調理されることが多いようです。特に沢山の人から愛されているふき味噌は、ふきのとうを刻んで調理します。おにぎりでもパスタでもビールのおつまみとしても抜群に美味しいです。フキよりも筋が気にならなく、やわらかいので食べやすいそう。幅広く使える食材なのでわりと万能です。
◎ ふきのとう味噌
ふきのとうのツンとした香りと、味噌のまろやかさが相まって、口の中が一気に春モードに。このクセのあるにおいと味がたまらない……と、ふきのとうを求める人もいるほど。
■ ふきのとう、食べよう
寒い冬を乗り越えて、春を感じさせる食材、ふきのとう。春が近づくと身も心もふきのとうを欲するようになりそうですね。ほんの少しの限られた時期にしか食べられないので、お店や道端で見かけたらぜひ食べたいですね。
(著&編集:nanapi編集部)
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