県は5日、東京都やさいたま市などと合同で、高齢者や障害者などの要配慮者をバスで搬送する帰宅困難者対策訓練を実施、搬送手順や搬送先での受け入れ体制を確認した。要配慮者を陸路で搬送するのは初めて。
訓練は、東京湾北部を震源とするマグニチュード7・3の地震が発生し、公共交通機関が途絶している状況を想定。自治体職員やボランティア約70人が、都内から埼玉に帰れずにいる要配慮者役を演じた。
参加者たちは午前11時ごろ、東京都豊島区の東京芸術劇場で都営バス4台に分かれて乗車した。目的地のホテルブリランテ武蔵野(さいたま市中央区)に到着したのは約1時間20分後。雨や雪の影響で、予定よりも約30分遅れた。その後、ホテルでは県看護協会と日本赤十字社県支部が連携し、搬送者に対して問診や血圧測定などの健康チェックを行った。
訓練に参加した三郷市職員の河野広美さん(48)は「正直疲れた。バスの中はとても静かで自由が利かず、気が張っていたからかな」と振り返った。
ボランティアで車いす利用者役を演じた杉本洋平さん(34)は「搬送中は寒さや振動のほか、トイレに行けないのがつらかった。要配慮者と一口に言っても、一人一人に合ったケアや幅広い視点が必要」と話していた。
搬送中のトイレや要配慮者に付き添う職員をどう確保するのか。搬送者に合った対応などに課題がありそうだ。
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