阿賀野市内に「クラウドファンディング(CF)」を使った地産地消の和風ダイニングレストランが年内に誕生する。仕掛けるのは、阿賀野市と、結婚式場「五十嵐邸」の運営や地ビール「スワンレイクビール」などを手がける天朝閣グループ。市は、レストランを訪れた観光客が市内を周遊する流れを作りたいとしている。
CFとは、インターネットで起業資金を幅広く集める方法で、官民が連携し産業振興でCFを活用するのは県内で初めて。第四銀行も協力した。
市などは地域産業振興の一環で昨年6月、「ビジネスプラン」を募集。応募した3社の中から、高い経済波及効果が見込まれた天朝閣グループのプランを選んだ。同グループは同市中島町の本店1階を和風ダイニングレストランに改装。床面積は約65平方メートルを計画している。
レストランでは、川上とうふやヤスダヨーグルト、エディブルフラワー(食用花)などの阿賀野市内の特産品を使った郷土料理や、新たに阿賀野市産米を使って開発したビールを提供。備品も地元「庵地焼(あんちやき)」の陶器や染物店「藤岡染工場」のマットなどを使う。
CFで集めた資金は市内産品の購入や地ビールを貯蔵するたるの整備に使う予定だ。
出資金は、CF運営会社「ミュージックセキュリティーズ」(東京)のウェブサイト上で2月中に、1口3万円で募集を開始し、約300万円の調達を目指すとしている。レストランの月間売上高目標は約300万円。出資者には売り上げに応じ「分配金」を返すとともに、地ビールを特典として贈る。
同グループの古田秀衛社長がCFを活用する狙いは資金調達だけでない。ネットで顧客の反応を得る好機とし、「阿賀野の魅力を全国に発信することで、投資家が阿賀野を訪れてほしい」とも期待している。
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