青森県内に本・支店のある13金融機関が26日から、多額の預金を引き出そうとする高齢者に、預金小切手の利用を勧める対策を始める。青森県警の要請を受け、振り込め詐欺をはじめとした「特殊詐欺」の被害を未然に防ぐのが狙い。預金小切手は換金する際に身分確認が求められることから、詐欺被害の抑止につながると期待されている。
預金小切手は、基本的にその場で現金を渡して作ってもらうため、当座預金口座がなくても発行可能。相手の氏名を記入すれば送金にも使えるという。
金融機関によって、「預手(よて)」「自己宛小切手」「記名式線引き小切手」などと呼ばれる。
金融機関の職員が預金小切手を勧める対策「預手プラン」は、2013年に静岡県警が同県内の金融機関の協力で始めた。
それ以降、他自治体の金融機関で同様の手法を導入するケースが見られ、現在は全国30府県で実施されている。静岡県警によると、13年12月13日以降の1年間で140件、約4億3千万円の被害を食い止めたという。
一方、青森県内では特殊詐欺の被害が年々増加している。県警生活安全企画課によると、統計を取り始めた11年以降、14年は被害金額(4億4600万円)件数(88件)ともに過去最多に上り、未然防止に向けた対策が急務となっている。
県警の要請を受けて取り組むみちのく銀行(青森市)は、小切手の発行手数料について、小切手の利用に応じてもらった高齢者については無料化することも検討しているという。
同行の広報室担当は、特殊詐欺の被害防止には有効だとしつつも、「預金小切手を使った手法は最終手段だ。多くの県民が特殊詐欺が横行している事実を知り、注意することが不可欠だろう」と指摘している。
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