平成25年度の文部科学省の学校保健統計調査によれば、裸眼視力が0.7未満の小学生の割合は19.82%。この数字は、30年前の約2倍です。近視の子どもは、確実に増えています。
たしかに、今どきの子どもはスマホやパソコン、テレビ……とあふれるデジタル機器に囲まれていますから、昔に比べ近視になりやすいのは仕方がないかもしれません。
とはいえ、目は将来にわたって使い続けるもの。近視になればめがねも必要になりますし、できるだけ視力は下げないようにしたいですよね。
もしも視力が下がりかけたときには、早く見つけて対処することが大切。今回は、子どものための医学事典『キッズ・メディカ安心百科 子ども医学館』を参考に、子どもの近視と視力低下のサインについてお伝えします。
■そもそも近視とは
近視とは、ふつうに遠くを見たときに、網膜よりも手前で像を結んでしまって、遠くのものがよく見えない屈折異常のことです。近視では、近くにあるものは比較的よく見えます。
テレビや本など、近くの物を長時間見つめる状態が続くと、毛様体筋が緊張したままの状態になり、遠くのものを見たときにも緊張がゆるまなくなってしまいます。この状態を仮性近視といいます。
近視や仮性近視は、視力検査をすれば発見できます。ただ、視力検査を受ける機会自体があまりないので、視力が低下しても、しばらく気づかないことはあるものです。特に、小さなお子さんの場合、自分から「見えづらい」と言い出すことはできませんから、周りの大人が早めに気づいてあげることが重要です。
■視力低下や異常のサイン9つ
視力が低下してきたとき、また、見え方に何か異常があるとき、お子さんには次のような様子がみられるとのことです。家族が見つけられることなので、次のような症状がないか、項目ごとにぜひ確認してみてください。
(1)目を細めて見る
(2)目つきが悪い
(3)斜めに(横目で)見る
(4)テレビや本を近くで見る(注意すると離れるが、そのうちまた近くで見る)
(5)片方の目を閉じて見る
(6)まぶしがる
(7)上目づかいをする
(8)あごを上げて前を見る
(9)ひたいに横じわをつくってまぶたを上げようとする
いかがでしょうか。こんな様子がよく見られたら、眼科医の診察を受けたほうがよいそうです。ふだんからお子さんがどんなふうにものを見ているか、観察しておくのがよさそうですね。
■近視を防ぐ生活
視力低下に早めに気づくことは大事ですが、それ以前に、お子さんができるだけ近視にならないように過ごさせることも大切です。
お子さんの近視を防ぐためには、まず、テレビを離れてみるよう習慣づけることが重要。また、毛様体筋の調整力を過度に使うテレビゲームなどは1時間以上しないようにしたほうがよいそうです。毎日気をつけてみてくださいね。
以上、子どもの近視と視力低下のサインについてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。お子さんの視力が気になる方は、ぜひ確認してみてくださいね。
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