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スマートフォンの充電端子の焼損や本体の発熱に注意-なかにはやけどを負った事例も-

目的

スマートフォンは、従来の通話やメールに加えて、パソコンのように様々なソフトウエアがインストールされている携帯電話機であり、その機能性や利便性の高さから近年急速に普及が進んでいます。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、「スマートフォンの充電端子の焼損や本体の発熱等」に関する相談について、2009年度は2件でしたが、2012年度には523件となっており、スマートフォンの普及とともに急増しています。これらの相談には、充電中に充電端子が焼損してしまった事例や、使用中や充電中に本体が発熱した事例などがあり、なかにはやけどを負った事例もみられます。

そこで、PIO-NETに相談が多く寄せられているスマートフォンの充電端子の発熱や焼損及び本体の発熱について、同様のトラブル拡大防止のために消費者へ注意喚起を行うこととしました。

 

相談の概要

PIO-NETには、2009~2013年度(2013年12月31日までの登録分)の間に、「スマートフォンの充電端子の焼損や本体の発熱等」に関する相談が1032件寄せられています。そのうち、やけどした、やけどしそうになったなど危害・危険情報は268件含まれています。相談件数、危害・危険情報いずれの年度別件数も増加傾向にあります。

 

充電端子の発熱や焼損及び本体の発熱に関するテスト事例

充電端子の発熱や焼損に関する事例

「スマートフォンを充電していたところ、スマートフォンと充電器の接続部分が焦げた。原因を調べてほしい。」という依頼を受け、調査を行いました。

調査の結果、本体及び充電器の機能が正常であったことから、充電の際、充電端子の接続部がショートに近い状態となって発熱し、この熱により周囲の損傷に至ったものと考えられました。

 

導電性の異物が混入した充電端子を用いたテスト(例)
テストの様子
スマートフォンを充電している写真

サーモグラフィによる発熱の様子
充電器の接続部分の温度が160℃まで上昇している様子を示す写真

本体の発熱に関する事例

「スマートフォンが熱くなり過ぎるので、スマートフォンの温度を計測してほしい。」という依頼を受け、調査を行いました。

調査の結果、当該品は、ゲームアプリやテレビ電話の使用によって、内部回路のCPUなどへの負荷が増大したことによって発熱したものと考えられました。

 

サーモグラフィによる温度測定(例)
スマートフォン上部の温度が約58℃まで上昇している様子を示す写真

 

事業者における注意喚起

国内の通信事業者のなかには、スマートフォンの充電端子の発熱や焼損及び本体の発熱について、パンフレットやホームページで消費者へ注意喚起を行う通信事業者もありました。また、スマートフォンの取扱説明書にもこれらに関する表示がみられました。さらに、これらの表示を本体にシールで貼付しているものもありました。

 

消費者へのアドバイス

  • スマートフォンを充電する際は、毎回充電端子の取り扱いに注意しましょう。また、異常を感じた場合は直ちに充電を中止しましょう。
  • やけど防止のため、スマートフォンを使用する際や充電する際は、長時間肌に密着させないようにしましょう

 

業界・事業者への要望

  • 発熱や焼損しにくい充電端子及び本体の発熱を抑えた商品の開発を要望します
  • 充電端子の発熱や焼損及び本体の発熱のトラブルを防止するため、一層の周知及び啓発を要望します

 

要望先

  • 一般社団法人電気通信事業者協会

 

情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課
  • 内閣府 消費者委員会事務局
  • 総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 消費者行政課
  • 経済産業省 商務情報政策局 製品安全課
  • 経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課
  • 一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会

 

業界の対応 ※2014年3月17日 追加

「一般社団法人 電気通信事業者協会」より

ご要望をうけまして、平成26年2月20日にご要望内容を会員会社に周知し、関係部門での対応を要請しました。

業務部 部長 矢橋康雄

 

業界の対応 ※2014年6月12日 追加

「一般社団法人 電気通信事業者協会」より

国民生活センターが平成26年2月20日に公表されました「スマートフォンの充電端子の焼損や本体の発熱に注意」における要望に関する対応状況につきまして、以下のとおりご報告します。

モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)において、スマートフォン等の充電による事故や火災等の抑制と利用者が安全に充電できる環境を構築することを目的に「モバイル充電WG」と「同技術SWG」を設立しました。

検討メンバーは、電気通信事業者、MCPC技術委員会、充電器メーカー、認証機関からなる専門家メンバーです。

対策において以下の検討を実施しています。

  • 充電機器に関する安全性ガイドラインの策定
    技術的な観点から事故や火災を防ぐための基本仕様や安全機能仕様を検討しガイドラインとして規定します。
  • 認証ルールの策定
    上記ガイドラインで規定した仕様を満足できる安全な充電機器であるかを認証します。試験仕様や認証運用ルールを策定します。
  • 充電に関する安全性向上の訴求活動
    ユーザーが安全に充電できるように、正しい充電知識の訴求を行っていきます。また、安全性ガイドラインと認証ルールについて普及促進活動をしていきます。

業務部 部長 矢橋康雄

 

業界の対応 ※2014年12月15日 追加

「一般社団法人 電気通信事業者協会」より

国民生活センターが平成26年2月20日に公表されました「スマートフォンの充電端子の焼損や本体の発熱に注意」における要望に関する対応状況につきまして、以下のとおりご報告します。

安全性向上ガイドラインの策定のため、平成26年6月12日にご報告しましたとおり、モバイル充電ワーキンググループと同技術サブワーキンググループを設置し、MCPC技術委員会、通信事業者、充電器メーカー、スマートフォンメーカー、検証企業からなる専門家メンバーにおいて検討を行って参りましたところ、このほど、以下のガイドラインを発行することになりました。

MCPC TR-021 USB充電インタフェース安全設計ガイドライン Version 1.00[PDF形式](モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)

今後は上記ガイドラインに基づき、「MCPCモバイル充電機器検査仕様(仮称)」を策定し、検査仕様を満足できる安全なモバイル充電機器であるかを認証する「MCPCモバイル充電機器認証プログラム(仮称)」を検討する予定です。

また、安全に機器の充電ができるように、利用者への正しい充電知識の訴求活動なども行っていく予定です。

一般社団法人 電気通信事業者協会
業務部 部長 矢橋康雄

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140220_1.html#taiou20141215

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