子育て世代の家庭では、子どもの将来の教育費やマイホーム等の住まい資金、自分たちの老後資金まで考える必要があり、家計管理に苦労しているケースも多いだろう。また、様々な事態に即した保険に加入した結果、保険負担が重くのしかかる家庭も少なくないことだろう。今回は、ファイナンシャル。プランナーの村松祐子さんに子育て世代の保険料について解説していただく。
○保険料負担は所得の5%以内が目安
病気になって入院した場合、就業不能になった場合などあらゆる不測の事態を心配し、保険に入っておくことで安心したいと考える方は今もなお多いです。
ただ、心配事の度に保険に入っていたら、いくら入っても足りません。ケガをしたとき、病気をしたとき、一時的に収入がなくなったとき、死亡したとき。こんな具合で保険の契約をしていれば、月々に支払う保険料が生活自体を逼迫し、今の大事な生活が汲々となっては安心して暮らしていくことができません。起こるかどうかわからないことに掛けるのではなく、今使うお金と将来生きていくためのお金により多く振り向けた方が、お金は生きてきます。あらゆるリスクに対して保険でカバーしてはいるものの、将来の貯蓄ができないのでは困ります。そのため、保険料の負担は、所得の5%以内を目安に抑えることが理想です。
お金を払ってお金を準備するのは、何も保険に限りません。貯蓄や投資によっても備えることができます。ただ目的により適切な備え方があります。
では、どのようなことに保険で備えるのが適切と言えるのでしょうか。
頻繁に起きてしまうことではないものの、万が一でも起きてしまったときに、手持ちの資金では対応しきれないこと。経済的な打撃を免れないような事柄にこそ「保障」が役に立ちます。例えば、世帯収入が大幅に落ち込むようなこと。手元に貯蓄が少なく、お子さんも小さいときには、夫婦のどちらかが亡くなってしまった場合、生計を成り立たせることが難しくなることも想定されます。また、お子さんが他所の高額な物を壊してしまった、或いは、自動車や自転車の事故によっても多額の損害賠償を請求されることがあります。そのような事態に保障を限定してかけておくことで、大きな不安から解消されるだけでなく、最小限の保険料に留めることもでき、今と将来に使うお金を蓄える余裕も生まれます。
このように考えると、短期間の入院、通院保障などは必要性が低くなります。勤務先の福利厚生制度が充実している場合も、保険への依存度は小さくて済みます。保有している資産がまだ少ないという方は、一定期間、大きな経済的ダメージを受ける事態に絞って「保険」で備えることで、保険料負担も目安の範囲内に収めることができるでしょう。
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