被害が後を絶たない振り込め詐欺などの特殊詐欺を防ぐため、県警は地元のお笑い芸人を広報大使に任命したり、県警OBの経験や知恵を活用したりとあの手この手の作戦を打ち出している。
県警本部で18日、お笑い広報大使の委嘱式が行われた。委嘱されたのは、新潟お笑い集団NAMARA(ナマラ)、落語愛好家の三流亭楽々(本名・入山隆)さん、新潟弁の漫談師、中野小路たかまろ(同・中野隆)さんで、委嘱期間は1年。
ナマラの江口歩代表は「これを機に『親に電話しましょう』と広報したい」。入山さんと中野さんは平成23年に退職した県警OB。入山さんは落語活動の経験から「お年寄りは振り込め詐欺の実態を知らない。われわれが情報を流すことで被害防止に役立てたい」、中野さんは「常に留守番電話にして相手の話を聞かないことが大切だ」と話した。
入山さんらは警察の防犯イベントに参加し防犯広報を行う。県警は「笑って楽しみながら聞いた方が記憶に残るという話もある。お笑いによる防犯ルートを築きたい」と期待している。
27日には、約1800人の警察職員OBでつくる県警友会連合会(布川広紀会長)と「特殊詐欺被害の未然防止協定」を締結する。同会と県警本部、各署が連携を図り、ATM利用時の警戒、声かけ▽キャンペーン時の活動協力▽身近で特殊詐欺の発生や発生の恐れに気づいたときに素早く通報-などを行う。
県警によると、振り込め詐欺などの特殊詐欺認知件数は、10月末現在で166件と昨年同期より39件増加、被害額は約5億5千万円に上る。一方で金融機関などと連携した防止策が効果を発揮し、被害の未然防止数は182件と昨年同期比94件増と大幅に増加し、3億1600万円が被害に遭わずに済んだ。今回の企画は未然防止の強化を図るのが狙いだ。
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