漢方薬には即効性を期待できるものもあり、かぜのような急性の病気にも使われる。かぜのひき始めや長引いた場合、また症状によりどのような薬を選択すれば良いか伝える。
1.かぜと漢方
かぜ(かぜ症候群)をひいて熱が出た人を対象に、漢方薬と西洋薬の効果を比較したところ、漢方薬をのんだ人のほうが西洋薬をのんだ人より早く熱が下がったというデータがあります。漢方薬はゆっくり効くというイメージをもたれがちですが、漢方薬のなかには即効性を期待できるものもあり、かぜのような急性疾患にもよく使われています。かぜに使われる漢方では葛根湯(かっこんとう)がよく知られていますが、ほかにも、麻黄湯(まおうとう)、小青龍湯(しょうせいりゅうとう)、桂枝湯(けいしとう)などがあります。
西洋医学のかぜの治療は対症療法が主体で、症状を緩和する薬が使われます。一方、漢方(漢方医学)では、四診(ししん)と呼ばれる漢方独特の診察法により、患者さん一人一人の証(しょう)を診断して、それに基づく漢方を選択します。証とは、西洋医学の診断名に相当し、漢方治療の指針となるものです。
2.かぜのひき始めの漢方薬
証を決定するための物差しの代表的なものに、陰陽と虚実という考え方があります。かぜのような急性疾患を治療する場合、陰証(寒証)とは体が寒さに支配されている状態を指し、陽証(熱証)とは体が熱に支配されている状態を指します。虚実は病気に対する反応(症状の強さ)を表すものと捉え、反応が強い場合を実証、あまり強くない場合を虚証といいます。
かぜのひき始めには、熱が出て症状も激しいため、多くは陽証で実証と診断されます。この場合、症状が比較的激しいときには麻黄湯が、一般的には葛根湯がよく使われます。陽証で虚証とは、水のような鼻汁やくしゃみ、せきなどが見られ症状が激しくない場合で、小青龍湯がよく使われます。皮膚が汗ばんでいる場合などには桂枝湯が使われます。それほど多いケースではありませんが、悪寒や寒気が目立つだけで熱はそれほど上がらず、のどが痛いというような場合は、陰証で虚証にあたります。このような場合には麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が使われます。
☆ かぜが長引いたときの漢方薬や副作用については、
きょうの健康テキスト 10月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年10月8日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20141008-h-001.html
1.かぜと漢方
かぜ(かぜ症候群)をひいて熱が出た人を対象に、漢方薬と西洋薬の効果を比較したところ、漢方薬をのんだ人のほうが西洋薬をのんだ人より早く熱が下がったというデータがあります。漢方薬はゆっくり効くというイメージをもたれがちですが、漢方薬のなかには即効性を期待できるものもあり、かぜのような急性疾患にもよく使われています。かぜに使われる漢方では葛根湯(かっこんとう)がよく知られていますが、ほかにも、麻黄湯(まおうとう)、小青龍湯(しょうせいりゅうとう)、桂枝湯(けいしとう)などがあります。
西洋医学のかぜの治療は対症療法が主体で、症状を緩和する薬が使われます。一方、漢方(漢方医学)では、四診(ししん)と呼ばれる漢方独特の診察法により、患者さん一人一人の証(しょう)を診断して、それに基づく漢方を選択します。証とは、西洋医学の診断名に相当し、漢方治療の指針となるものです。
2.かぜのひき始めの漢方薬
証を決定するための物差しの代表的なものに、陰陽と虚実という考え方があります。かぜのような急性疾患を治療する場合、陰証(寒証)とは体が寒さに支配されている状態を指し、陽証(熱証)とは体が熱に支配されている状態を指します。虚実は病気に対する反応(症状の強さ)を表すものと捉え、反応が強い場合を実証、あまり強くない場合を虚証といいます。
かぜのひき始めには、熱が出て症状も激しいため、多くは陽証で実証と診断されます。この場合、症状が比較的激しいときには麻黄湯が、一般的には葛根湯がよく使われます。陽証で虚証とは、水のような鼻汁やくしゃみ、せきなどが見られ症状が激しくない場合で、小青龍湯がよく使われます。皮膚が汗ばんでいる場合などには桂枝湯が使われます。それほど多いケースではありませんが、悪寒や寒気が目立つだけで熱はそれほど上がらず、のどが痛いというような場合は、陰証で虚証にあたります。このような場合には麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が使われます。
☆ かぜが長引いたときの漢方薬や副作用については、
きょうの健康テキスト 10月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年10月8日放送分