■貧血とは
血液の中には、免疫に関わる白血球、酸素を運ぶ赤血球、止血に関わる血小板があります。血液が赤く見えるのは、赤血球の色が赤いためです。赤血球は、主に骨の中の骨髄と呼ばれる部分で作られます。
赤血球が何らかの原因で作られなくなったり壊れやすくなったりすることで、赤血球が少なくなり、さらに赤血球の中のタンパク質であるヘモグロビンが少なくなることを「貧血」と言います。赤血球の形は楕円状で中心が凹んでいますが、これは表面積を多くして、より酸素を取り込みやすい形になっているのです。ヘモグロビンは10g/dl以下で「貧血」と診断していることが多いです。
■子どもの貧血チェックポイント
貧血になると赤血球が減り、体全体への酸素を運ぶ量が少なくなるために、様々な症状を起こします。
□ 色が白い、唇の赤みが薄い
□ 口の端が切れている
□ 髪に枝毛が多い、抜け毛が多い
□ 舌の表面がツルツルしている
□ 偏食している(酸味が浸みるため)
□ 爪がスプーンのように反りあがる
□ 爪が割れる
□ 皮膚がカサカサしていたり、張りがない
□ すぐに走るのをやめる
□ じっとしていることが多い
□ 呼吸が早い
□ アッカンベーすると目の結膜の赤みが薄い
これらの症状のうち1つでも当てはまるものがあれば、貧血の可能性があります。続いて、子どもの貧血の基礎知識を説明します。
■子どもの貧血に多い3つの病気
子どもの場合は、以下の3つの貧血が多くみられます。
□鉄欠乏性貧血
赤血球を作る材料である鉄が不足する貧血で、赤血球の数のみが減ります。鉄を補充すれば、よくなる貧血で、比較的多く見られる貧血です。
□溶血性貧血
赤血球自体に異常があったり、何らかの原因で破壊されることで起こる貧血。他の貧血と異なり、赤血球が壊れることで赤血球に含まれるビリルビンが血液中に増え、体が黄色くなる「黄疸」という症状が特徴的です。白目の部分が黄色い場合は、肝炎か溶血性貧血が疑われます。また脾臓で赤血球が壊されますので、脾臓が大きくなります。
□再生不良性貧血
赤血球を作る骨髄で、血液に含まれる細胞を作ることができなくなります。原因は様々で、感染症や薬剤があります。白血球の数、赤血球の数、血小板の数が少なくなってしまいます。赤血球を作ることができませんので、輸血を必要とする貧血です。
文・清益 功浩(All About 子供の病気)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141025-00000003-nallabout-hlth