就活の面接やグループディスカッションは、ただ自分の考えや想いを一方的に伝える場ではありません。相手の質問にしっかり答えて対話をしていくというコミュニケーションを行うべき場です。そこでは、見当外れな答えをしてしまったり、相手の質問に答えられなかったりという事態は避けたいですよね。でも、とっさの質問や、予想外の質問をされるとどうしても戸惑ってしまうもの。上手に切り返すにはどうしたらいいのでしょうか。そこで、就職活動支援から社員研修まで、幅広く行う株式会社インソースのマネージャー・水野さんに『面接で相手の質問を上手に切り返すコツ』を伝授していただきました!
■『上手な切り返し』とは、自分の意見をしっかり伝えること
面接という場で相手に評価される『上手な切り返し』とは、一体どんなものなのでしょう?
「試験とはいえ、面接はコミュニケーションの場です。大切なのは面接官の問いかけにうまく切り返そうとするのではなく、聞かれたことに対して『しっかり自分の考えを伝える』こと。個人の意見は十人十色なので、結果的に会話の切り返しにつながるはずですよ」
自分なりの答えこそが『上手な切り返し』。ムリをして奇をてらったり、冗談を言ってウケを狙ったりする必要はないんですね。でも、自分の意見を素直に伝えればいいとなると、何も準備していかなくても簡単に話せそうなものですが、どうなのでしょうか?
「日常生活では無意識に自分の意見を言える人も、緊張している面接では、それができなくなってしまう可能性が高いです。意識して自分の考えをまとめて上手に発言できるようになるには、日々の練習が必要です」
「自分なりの考えを持つ」思考になるためには日頃の努力が必要なんですね。まずは、ニュースなどに対して、自分の意見をまとめられるように訓練してほしい、とのこと。今すぐはじめられそう!
■「最近気になる◯◯は?」に対する答え方
意見や感想に関する質問をされることも多い面接では、ここにも注意すべきポイントがあるとのこと。
「集団面接の場合は、面接官が学生数名に対して同じような質問をしていくことがほとんどですよね。なかには『今気になっているニュースは?』『最近読んだ本の感想』といった質問も。『気になるニュース』となると、他の学生と選ぶニュースのチョイスが被る可能性が高いと思いますが、その際に注意したいのが、周りと同じ意見を言ってしまうことなんです。ニュースが被るのはしかたないとしても、意見が被ってしまっては他の人の意見に同調しているだけに見えてしまいます。なので、他の学生とは違う切り口で独自の意見を伝えるようにしましょう。あるいはそうなる前に、全く違うニュースを取り上げたほうが得策ですね」
確かに、個性を出さなければならない面接で、同じ意見は避けたいですね……。
「そのためには、政治から経済、エンタメからスポーツまでいかに幅広い情報を引き出しとして持っておけるかがカギになります。日々の情報収集に加えて自分の意見をまとめる練習をしておくと、いざというときに役立ちますよ」
考えのまとめ方もネタ集めも、日々の積み重ねが大切なんですね。
■「最後に何か質問はありますか?」で聞くべきこと
個人・集団など、形式に関わりなく面接の最後に尋ねられることが多い「何か質問はありますか?」。「そんなこといきなり言われても……」と困ることもありますよね。
「せっかくなので、目の前にいる面接官の人しか答えられない質問をしてみましょう。たとえば『会社の魅力』や『仕事のやりがい』といった質問がいいですね。会話している相手の価値観を聞くというのは、とても密なコミュニケーションなんです。『私はあなたに興味があります』というアピールにもなり、好印象につながりますよ」
また、この質問をするメリットは、ほかにもあるそう。
「もしも『仕事のやりがい』を聞いて、面接官がしどろもどろになるようだったら、その会社への入社を考えなおしたほうがいいかもしれません。面接時は審査される側ですが、内定をもらった後のことを考えると、仕事の魅力を答えられないような会社では不安が残りますよね」
相手に好印象を与えながら会社を見極める材料になるなんて、とても便利な質問! ぜひ実践してみたいところですね。
とっさの質問に対して「自分なりの考え」がすぐに出せる思考になるには、日頃の訓練が大切。ぜひ参考にしてみてくださいね。
文●谷口京子
インソース株式会社
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