最近ビジネスでは「目的意識」という言葉がよく使われます。自分のやっていることを好きになりたい若者はこの傾向を非難していますが、社会が発展するにつれ、私たちの自己実現欲求はマズローの欲求階層に従って上がっていきます。著名な心理学者のマズローは、人間のやる気は満足感を得ることが元になっており、個人の成長に従って変わると言っていました。
自己実現をしている人というのは、自分に満足しており、自分のできることをすべてやっている人です。しかし、世の起業家たちは本当にそのような人たちでしょうか?
目的意識といえば、自らビジネスと作り出している起業家が頭に浮かぶかもしれません。しかし、自分に「今の仕事で毎日本当に満足感が得られているか?」と聞いてみてください。答えが「いいえ」であれば、自分と自分の仕事をどちらもより素晴らしいものにするために、それをToDoリストに追加した方がいいでしょう。
しかし、「目的」というのは妙なもので、人によっては必ずしも役に立たないことがあります。ただし、仕事の目的を理解することは、思っているほど難しくありません。結局、1つの質問を自問自答するだけ分かります。
目的が分からない時に陥りやすいこと
その大事な質問の話をする前に、まずは目的について定義したいと思います。私の考える目的というのは、満足感を与えるもので、仕事と密接につながっています。クレジットカード会社で働いていた時、いつも「命を救うような仕事ではない」と口癖のように言っていました。自分の仕事が影響力が無いことに、個人的に欠落感を感じている表れでした。
現実的には、命を救える人はほとんどいません。しかし、誰もが自分のやっていることが何か意味のある大事なものだと感じたいものです。それで、目的に囚われてしまうのです。自分自身の目的が何なのかハッキリしていない時は、人はボランティア活動や、アフリカの飢えている子どもたちを救うような、わかりやすく世界を変えることをするべきだと考え始めます。
子どもの命を救うのは決して悪いことではありません(むしろその逆です)。しかし、それは現実の問題に対する一時しのぎでしかないことが多いです。問題は「毎日の仕事に満足感が得られないので、自分は良い人間だと感じられるようなことをやる必要がある」と感じていることです。
自分の目的が分かる質問
その問題に対する別の解決方法もあります。目的を明確にし、自分の仕事の中にそれを入れ込むのです。そこで、先述の自問自答した方がいい質問というのがこれです。
あなたが人生で直面した自分の根本的な課題は何ですか?
人生で直面する問題や、乗り越えなければならない難題は人それぞれだと思いますが、人生において繰り返しあらわれる重大なものがあるのではないでしょうか。それが何かを突き詰める必要があります。子どもの頃、思春期、学生時代、これまでやってきた仕事や最近の出来事などを通して、じっくり考えてみてください。これが自分の課題だと分かったら、自分の目的も分かるようになります。
同じ課題を抱えている人を助ける
自分の課題を通して、何らかの方法で誰かを助けているという確信を得るのが大切です。例えばTimさんは、自分の潜在能力を最大限に発揮することを自然と重視していました。若い頃から野心的で、飲み込みも良く、一生懸命働きました。お父さんの仕事を手伝っており、お父さんにいつもアドバイスやサポートを求めていました。
しかし、お父さんはTimさんに何も言わず、何もしませんでした。子どもだったTimさんも、今は大人になり、意見を言われたり、助けてもらったりするとやる気が出ます。Timさんは、生涯に渡ってお父さんからは決してもらうことのなかったサポートを、他の人からもらっていることに気付きました。今では、Timさんは可能性のある人たちを助け、その能力を最大限に発揮できるように支援することで、満足感を感じています。
Timさんは、自分の人生の課題に直面し、同じ課題に直面している人を助けることで、以前は気づいていなかった目的を見つけました。Timさんは、自分の部署の人や誰かにアドバイスをする時、人生と仕事における深い目的意識を感じています。
自分がこれまで経験した課題に気付くことと、同じ課題を抱えている人を助けることがポイントです。誰かを助ける時は、その人に個人的なつながりがある感覚を持てると、満足感は消えることがありません。
まずは自分の課題を見つけることから始めましょう。そして、自分の現在の仕事環境の中で、どのようにそれを組み込むことができるかを考えましょう。自分の目的を知り、それで満足感を得ることが、やる気を途切れさせないためのポイントでもあります。
http://www.lifehacker.jp/2014/10/141014_purpose.html