テレビ「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」で紹介! 幼稚園児~小学生を「メシが食える魅力的な大人に育てる」ことを主眼とした学習塾「花まる学習会」の「本当に頭がいい子の育て方」を徹底解説! 作文・読書・思考力・野外体験を重視したユニークな教育手法は全国で多くの支持を得ている。
「休まない」という能力は、信頼に値する才能のひとつ
1993年に「花まる学習会」をはじめてから、私は、一度も、体調不良で授業に穴をあけたことがありません。
子どもたちと外遊びをしたり、水泳を続けたことで、体力的にも、精神的にも、非常に充実しています。
筋力がついて体幹がしっかりしてくると、心の中にも一本芯が通ります。困難な事態に直面しても「よっしゃぁ、やるしかなかばい!」と立ち向かう力がわいてきます。
弊社の由実さんを「花まる学習会」の取締役に抜擢したのは、「授業に一度も穴をあけたことがない」ことも、ひとつの大きな理由です。
「仕事を休まない」というのは、信頼に値する才能のひとつです。
「何かあると、すぐに休んでしまう人」に、大きな仕事を任せることはできません。
子どもがちょっとでも体調を崩すと「無理をさせたくないから」という理由で、学校を休ませる親がいます。
たしかに、症状が重かったり、感染症などでまわりにうつす心配がある場合は、休ませたほうがいいでしょう。
しかし、なんでもかんでも「心配だから」と休ませるのは、間違いだと思います。
「ちょっと風邪をひいたら、休んでいい」が常習化すると、大人になってからも「軽い風邪なので、大事をとって会社を休む」が当たり前になってしまいます。
学校や塾の「皆勤賞(かいきんしょう)」をほしがる子どもは、少しくらい具合が悪くても、「絶対に、学校に行きたい!」と言い張るものですし、
その気力があれば、2時限目が終わるころにはコロッと元気になっている
ものなのです。
具合が悪くても、子どもが「学校に行きたい!」というときは、インフルエンザなどの感染症でないことを確認し、子どものやる気を認めてあげたうえで、マスクをさせるとか、先生に連絡を入れておくなど、できるかぎり学校へ行かせてあげましょう。
やせ我慢をするから、「自分の限界」が伸びていく
最近は、「暑さ」や「寒さ」への耐性が弱い子どもが目立ちます。
サマースクールに行くと、「暑い〜、だるい〜、がまんできない〜、エアコンつけて〜」と不満を口に出す子どもがいます。
エアコンを入れれば快適にはなりますが、エアコンに頼り切った身体は、人間が本来持っている「暑い環境にも適応する力」を奪ってしまいます。
「炎天下で遊ぶと熱中症になるからダメ!」と言って、外に出ず、エアコンの効いた部屋でおとなしくしている子どもと、炎天下の中で、水分を多めに取りつつ、大汗をかいて野外で遊び尽くしている子どもでは、どちらが「暑い環境」に適応できるでしょうか。
間違いなく、後者です。普段から暑さに慣れていれば、「あ、そろそろ水を飲んだほうがいいかな」「そろそろ、日陰に入ったほうがいいかな」という、脱水症状の「限界(リミット)」を、体感覚的に理解できるようになると思います。
私は高校時代、野球部に所属していました。
私が高校の当時は、どの野球チームもそうでしたが、
「バテるから、練習中に水を飲んではいけない!」
といわれた時代でしたから、喉はカラカラ。練習中に、「まわりの景色が銀色に見えた」こともあります。
おそらく、脱水状態になっていたのでしょう。
「これ以上ガマンすると、死ぬかも」と焦り、ボールを拾いに行くと見せかけて、こっそり水を飲んだことも、何度もありましたし、「コーチに隠れて水を飲むテクニック」も、何パターンも身に付けたものです。いまはない、理不尽な時代の思い出です。
しかし、野外活動でのたくましい工夫が、将来の仕事に役立つわけですし、「もう、これ以上は限界だ」と嘆きながら、それでもやせ我慢を続けるうちに、少しずつ、自分の身体が暑さに順応し、強い体力をつくり上げてくれたのです。
人間には、自分の「身体の変化」を本能的に察知するプログラムがあります。ところが、軟弱な環境にばかり身を置いていると、このプログラムが発動しません。
体温調節がうまくできない子どももいますし、「熱中症」を知らない子どももいますから、「暑い日は、のどが渇く前に水分を大目に補給する」など、ある程度は、大人が予防措置を講じる必要はあるでしょう。
しかしそれ以上に、子どもを日常的に外で遊ばせて、「暑さに負けない体力」をつくることのほうが、圧倒的に大切なことなのです。
http://news.goo.ne.jp/article/diamond/life/diamond-60399.html
http://diamond.jp/articles/-/60399?page=2