Inc.:「偉大なリーダーになるたったひとつの秘訣」なんて、ありません。しかし、過去のリーダーたちが持っていた習慣を知ることで、リーダーとはどんな特性をもった人たちなのかがわかるでしょう。
自分の専門領域以外でも、カリスマリーダーたちはその特異性をいかんなく発揮しています。今回は、カリスマたちの秘密の食習慣を見ていくことにします。
1. マーク・ザッカーバーグ氏は、自分で殺した動物の肉しか食べなかった(少なくとも2011年の間は)
2011年、同氏は、自分で殺した動物の肉しか食べない試みをしていると明かしました。氏によると、この挑戦は現代社会において食べ物が簡単に手に入ることに感謝するとともに、持続的な農業実践の重要性を体験するためだそうです。なお、この試みは一時的なものであり、2012年に終了しましたが、ザッカーバーグ氏はいまでも健康的で責任のある食事を心がけているそうです。
ザッカーバーグ氏の挑戦は一時的とはいえ、かなりパワフルなものです。現代では、このように長期にわたって自己を啓蒙しようとする人はめったにいません。この試みにより、同氏は、自分で食べ物を育て、持続可能な農業を実践し、健康的な食生活を送るという新たな習慣を手に入れました。また、この挑戦は、多くのカリスマリーダーたちと同じく、自己を取り巻く状況をコントールすること、より大きな環境に影響を与えること、自分自身をケアすることをザッカーバーグ氏に教えたのです。
2. ヘンリー・フォード氏は自分の庭でとれた植物しか食べなかった
シドニー・オルソン氏の伝記「ヤング・ヘンリー・フォード」によれば、フォード氏はあるとき、自分の体を一種の車だと考えたそうです。そして、車なら、正しく機能するために正しい燃料を必要とすると考えました。フォード氏は、食べるものに細心の注意を払い、自分で収穫した野菜と野草で、サラダやサンドイッチを作って食べていました。その食習慣のおかげで多くの仲間が離れていきましたが、彼は自身の料理哲学を変えようとはしませんでした。
野草にどれほど栄養があるかはさておき、フォード氏のこの習慣が、自社のビジョンの拡張だという点が興味深いところ。同氏は最高の車を造りたいと望み、最高の車には最高の燃料が必要だと考えました。この妥協なき哲学が、自身の食事にも適用され、厳格な食習慣を維持するモチベーションと忍耐力をもたらしたのです。たとえそれが、多くの人にとっては心地よくない食習慣だったとしても。
3. ハワード・ヒューズ氏は極端な潔癖症だった
栄光と隠匿生活で有名なヒューズ氏は、強迫性障害と極度の細菌恐怖でも知られています。社会から完全に引きこもる前、同氏は召し使いを雇って、食事を可能な限り清潔にしていました。何人かの報告によると、ヒューズ氏は、食事で使う前の食器類を、ビニールでラップし、薄い布をかぶせるよう指示していたそうです。
ヒューズ氏の習慣は極端ですが、潔癖症と強迫性障害は、成功したカリスマリーダーの間ではありふれたものです。(ドナルド・トランプ氏もそうでした) 強迫性障害は深刻な精神病ですが、強迫的な習慣は、完璧主義者や細部にこだわる人によく見られるものです。あなたが些細なことにこだわるタイプなら、その完璧主義をビジネスにも応用できるでしょう。
4. マーガレット・サッチャー氏は、1979年の選挙の前、クラッシュダイエットを行った
初の女性首相となったサッチャー氏は、最近、同氏を選挙戦での勝利に導いた「クラッシュダイエット」について明かしました。ゆでたまご、グレープフルーツ、ブラックコーヒー、野菜を中心とした食事で、体重を急激に落としたそうです。食事は自分で用意していました。
サッチャー氏は自分のアイデアを実行するためにハードに働き、自らの手が汚れることを恐れませんでした。こうした性格は、食習慣にも表れ、外見を改善するために、厳格な食事療法を遂行したのです。クラッシュダイエットは健康的とは言えませんが、やり通すには、リーダーには不可欠な規律とコミットメントが必要なのは言うまでもありません。
5. チャールズ・ダーウィン氏は無数の生物種を発見し、それを食べた
ダーウィン氏は進化論の父として知られていますが、それは、生き物のあり様を研究したいという飽くなき情熱のたまものでした。科学者としてのキャリアを通して、イグアナ、亀、フクロウなど、膨大な生き物の種を発見してきました。ほとんど知られていないのは、ダーウィン氏がケンブリッジ大学の「グルメクラブ」のメンバーだったということです。メンバーたちは、新しく発見された珍しい生物を調理して食べていました。
ダーウィン氏の食習慣の裏に、どんなモチベーションがあったのかはわかりませんが、同氏が自分の仕事に情熱を持っていたのは明らかです。ダーウィン氏は研究している生き物についてすべてを知りたいと望みました。そして、ついには食べたいという欲求にまで行き着いたのです。関心を向けている対象のすべてを知りたいという情熱は、偉大なリーダーの重要な資質のひとつでもあります。
6. ウィンストン・チャーチル氏は、きちんとした食事にこだわっていた
チャーチル氏は強烈な個性の持ち主として有名です。粘り強く、機知に富み、機転が利きました。チャーチル氏は、食卓での雑談を、重要な会議につながるものとして高く評価しており、オイスターやチーズなどさまざまな食べ物の大皿を好みました。彼は、状況が混乱し、強いプレッシャーがある時でさえ、常に食事を優先させました。
チャーチル氏は食事をライフスタイルの重要な一部とみなしており、外交交渉にも食事を上手く利用しました。チャーチル氏のように、偉大なリーダーは、自分のライフスタイルを重要なものとして扱います。たとえ、強いプレッシャーにさらされていても、習慣を守りぬきます。そうすることで、どんな状況下でも正気を保ち、集中力を切らさないでいられるのです。
7. スティーブ・ジョブズ氏はヴィーガンで、何週間も同じ食べ物しか食べなかった
多くの人は、この独創的なApple前CEOが、長期間にわたりヴィーガンとして過ごし、その食習慣が純粋で健康的なものであったことを知っています。一方、彼が何週間も一種類の食べ物、例えば、リンゴやニンジンしか食べなかったことはほとんど知られていません。ウォルター・アイザックソン氏のジョブズ伝によると、ジョブズ氏は、ニンジンを集中して食べ過ぎて、肌の色がオレンジ色になったことさえあるそうです。
ジョブズ氏は現代における最も風変わりなリーダーの一人です。彼の強迫的な性格をよく知る人にとっては、この奇妙な食習慣も驚くに値しないかもしれません。カリスマリーダーたちには、どの努力が最も重要であるか、どの努力が価値がないかを判断する能力があります。ジョブズ氏は肌がオレンジになってまでも、食習慣にこだわり続け、逆境に直面しながらも、Appleを世界で最も成功した企業のひとつに押し上げたのです。
結論
あなたの食習慣は、多かれ少なかれ、あなたのリーダーシップのスタイルを反映します。あなたが妥協のない儀式のような食習慣を持っているなら、おそらく、あなたは綿密な計画を立て、継続性を重視するタイプなのでしょう。このどちらも重要な特性です。好き嫌いが激しく、変わった食習慣を持っているなら、おそらくあなたは完璧主義者であり、他の人が何を考えているかを気にしないタイプなのでしょう。これらも重要な性質と言えます。
あなたがどんなタイプのリーダーだとしても、先輩のリーダーたちから学ぶことが重要です。彼らのおかした間違いや、なしとげた成功を学び、あなたの自身のやり方を調整し、自分らしさを発揮する良きリーダーとなってください。
7 Secret Eating Habits of Charismatic Leaders|Inc.
Jayson DeMers(訳:伊藤貴之)
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