全国の消費生活センターには、「大手電話会社の関連事業者と思い、プロバイダ契約の内容(料金コース等)変更の手続きを遠隔操作でしてもらったが、無関係の事業者で、プロバイダ自体が変更されているとわかった。解約を申し出たら、違約金を請求された」など、遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルに関する相談が多数寄せられています。国民生活センターでは、昨年6月に本トラブルについて消費者への注意喚起を行いました。しかし、その後も相談が増え続けていることから、トラブルの実態および問題点を分析し、改めて消費者に注意を呼びかけるとともに、関係機関に要望および情報提供を行います。
PIO-NETにおける相談件数
遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルに関する相談件数は、2012年度187件、2013年度1,596件と2013年度に急増しており、2014年度も9月5日までに1,537件の相談が寄せられています。
図 年度別件数
(2014年9月5日までの登録分)
2012年度の相談件数は187件、2013年度は1596件、2014年度は1537件です。2013年度の2014年度と同時期の相談件数は291件です。
相談事例
- 【事例1】
- 大手電話会社からの電話だと思い、プロバイダ契約の内容変更を了解したが、そうではなかった
- 【事例2】
- 電話勧誘時に書面の交付を求めたが、拒否された。契約後に、書面が届いたが勧誘時の説明と契約内容が違う
- 【事例3】
- 通信料が安くなると言われてプロバイダ契約を変更したが、言われたとおり安くならない
- 【事例4】
- 電話でプロバイダ変更を勧誘され、よくわからないまま遠隔操作で変更してしまった
相談事例からみる問題点
- 大手電話会社もしくはその関連事業者だと誤解させる勧誘をしている
- 説明時の書面交付を拒否している
- 電話勧誘時の説明と料金が異なる
- 消費者に十分に考える時間を与えないまま手続きが完了している
消費者へのアドバイス
- 契約前に書面の交付を求め、契約内容を完全に理解しないまま電話口で承諾しないようにしましょう
- 契約先を必ず確認しましょう
- サービス内容を確認し、現在の利用料よりも何がいくら安くなるのかをしっかりと確認しましょう
- 従前のプロバイダ契約の解約によるデメリット等も理解し、新たな契約の必要がなければ、きっぱりと断りましょう
- トラブルになった場合は、最寄りの消費生活センターに相談しましょう
総務省(総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課)への要望
遠隔操作を用いたプロバイダ変更の勧誘において、サービス内容の説明不足等が原因となり、トラブルが急増している実態を踏まえ、市場の健全化、消費者被害防止の観点から、消費者保護ルールの整備や電気通信事業法第26条の規定に違反した電気通信事業者および代理店等に対する行政処分・指導等の対応を継続的に行うことを要望します。
総務省への要望について賛同を得た消費生活センター等一覧
遠隔操作を用いたプロバイダ変更勧誘トラブルについては、近畿ブロック(PIO-NETによる区分)において相談が多数寄せられた状況があり、近畿ブロックの以下の消費生活センター等(計15カ所)からの賛同も得て、本要望をいたします。
- 滋賀県消費生活センター
- 京都府消費生活安全センター
- 兵庫県立健康生活科学研究所生活科学総合センター
- 兵庫県中播磨消費生活創造センター
- 兵庫県但馬消費生活センター
- 兵庫県東播磨消費生活センター
- 兵庫県丹波消費生活センター
- 兵庫県淡路消費生活センター
- 兵庫県西播磨消費生活センター
- 奈良県消費生活センター
- 和歌山県消費生活センター
- 京都市消費生活総合センター
- 堺市立消費生活センター
- 神戸市市民参画推進局市民生活部消費生活課
- 神戸市生活情報センター
電気通信サービス向上推進協議会への要望
遠隔操作を用いたプロバイダ変更の勧誘トラブルが急増していることを鑑み、業界として消費者への啓発を含めた苦情の減少に向けた取り組みを行うことを要望します。
情報提供先
- 消費者庁 消費者政策課
- 内閣府 消費者委員会事務局
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140918_1.html