「いってらっしゃい」「こんにちは」「すみません」「ご苦労さま」「さようなら」など、よく使うその言葉が、時と場合によっては失礼にあたるケースがあることをご存じでしょうか?
とある方に重要な場面で「すみません」と言ったら、その後話をしてくれなくなった、関係が消滅した……なんてことが起こってしまったら、もう大変。その一言が取り返しのつかないことにならないためにも、正しい日本語の使い方を知っておくことは大切でしょう。
そこで今回は、立教大学名誉教授の宇野義方先生監修の『使ってはいけない日本語』を参考に、時と場合によっては失礼にあたる、気をつけたい言葉をご紹介します。
■1:いってらっしゃい
家族が出かける際に気軽に言う「いってらっしゃい」。使う場所を間違えると赤っ恥です。その場所はオフィス。間違っても上司が出かける際に「いってらっしゃい」と言ってはいけません。軽々しく聞こえてしまいます。
敬意を含ませるためには「いってらっしゃいませ」にすること。そうすれば失礼にならないそうです。
■2:こんにちは
“目上の方”に昼間会った時、どのように声を掛けますか? その時「こんにちは」を単独で使うのはNGです。単独で使うと、妙になれなれしく聞こえてしまい、失礼な言葉づかいになるそうです。
では、どのように声を掛けたらベターかというと、
<「こんにちは」の後に、「ごぶさたしています」や「先日は、ありがとうございました」などの言葉を補うといいだろう。>
とのこと。久しぶりに会う方なら、「ごぶさたしています」が適度に敬意も含まれていて好印象を与えるのではないでしょうか。
■3:すみません
「すみません」も、比較的よく口から出てくるのではないでしょうか。時と場合によって、とくにオフィシャルな場面では、良い印象を与える言葉ではありませんので注意をしましょう。
「すみません」ではなく「恐れ入ります」に変えてみることで、
<言葉全体の印象がはるかに丁寧になり、上品にもなる。>
とのことです。「恐れ入りますが」を自然に使えるようになると、素敵ですね。
■4:ご苦労さま
一日の仕事終わりは、「ご苦労さま」「お疲れさま」本当はどちらが正しいのでしょうか。悩ましいですよね。明確に違いが分かっている方というのは意外と少ないのでは?
<「ご苦労さま」は、目上の者が下の者に「苦労をかけた」とねぎらう言葉。目上の人に向かって、「ご苦労さま」と声をかけると失礼になるのだ。
一方、「お疲れさま」は、「さぞかしお疲れでしょう」といういたわりの気持ちを含んでいる。だから、目上の人には「お疲れさまでした」を使うのが正しい日本語になる。>
目上の方に「ご苦労さま」はNGなのですね。これからは「お疲れさまでした」と言うようにしましょう。
■5:さようなら
よく使う別れの挨拶「さようなら」も、ケースによっては失礼な日本語にあたるとのこと。「さようなら」は「左様ならば、失礼つかまつる」の略のため、略された分、敬意に欠けるところがあるそうです。目上の方や得意先には使わないようにしましょう。
目上の方などに挨拶をする際は、適度に敬意を含んだ「失礼します」がもっとも無難とのことですよ。
以上、時と場合によっては失礼にあたる“間違えやすい言葉づかい”についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
言葉づかいによって、人に与える印象も大きく変わってきます。また、使う言葉によっては相手を怒らせたり、恥をかいてしまったりすることもありますので、日ごろから言葉づかいには気を付けておきたいものですね。
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