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米中西部で呼吸器疾患ウイルス流行、子ども数百人が入院

米中西部ミズーリ州で呼吸器系の症状を引き起こすウイルスの感染が広がり、数百人の子どもが入院する事態になっている。米中西部全体に感染が広がっている恐れもあり、米疾病対策センター(CDC)の専門家は7日、現在の事態は「氷山の一角かもしれない」との見方を示した。

CDCによると、これまでのところミズーリ、コロラド、ノースカロライナ、ジョージアなど10州から、エンテロウイルスの検査について協力要請があった。

ミズーリ州カンザスシティーではこのウイルスのために1日あたり30人が病院に入院。うち約15%が集中治療室に入ったという。小児病院で治療を受けた患者だけでも約475人に上り、少なくとも60人が集中治療を受けている。

同病院の医師は「前例のない事態だ。30年も小児医療に携わっているが、こんな事態は見たことがない」と話した。

地域の小児患者の90%を受け入れているカンザスシティー病院によれば、患者は8月15日から急増し始め、新学期を迎えた後の21~30日にかけてピークを迎えた。現在は横ばい状態が続いているという。

コロラド州デンバーでも同じような呼吸器疾患の患者が急増。8月18日以降にコロラド小児病院を受診した小児患者は900人を超え、症状が重い86人は同州オーロラの施設に入院した。

エンテロウイルスは夏風邪のような症状を引き起こすウイルスで、これ自体は珍しいものではない。しかしこれほど多くの患者が入院するのは異例。CDCの検査の結果、カンザスシティーの小児患者のうち少なくとも30人に、エンテロウイルスD68型の陽性反応が出た。

CDCは、同じような症例が報告されている州についても検査を行っている。

D68型は比較的珍しく、1960年代に発見されて以来、これまでの症例数は100人未満にとどまっていた。米国のほか日本やフィリピン、オランダなどでも報告例があるが、現時点でワクチンは存在せず、治療法も確立されていない。

同ウイルスは患者との接触によって感染し、発熱、体の痛み、せき、発疹などの症状が出る。

同ウイルスによる死者はミズーリ州では確認されていない。ほかの州での死亡者数などは不明。(CNN)

http://www.cnn.co.jp/usa/35053430.html

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