「宿題をやっていないとき」「テストで悪い点をとってしまったとき」、あなたは子どもにどんな言葉をかけていますか? 本日のテーマは「声がけ」です。子どものやる気、能力を上手に育てるテクニックをご紹介します。
否定的な言葉をかけると、どんどんダメになってしまう!?
子どもはとても面白いもので、親や先生が「君はすごいね」「頭がいいね」と言うと、どんどんその通りになっていき、「全然ダメだな」「成績が上がらないなぁ」と言っていると、本当に成績はどんどん下がっていきます。
専門的な話をすると、親や先生がポジティブなことを言って子どもに期待していると、それに反応してどんどん伸びていくことを心理学用語でピグマリオン効果と言います。
反対に、否定的なことを言って「どうせ、ダメなんだろうな」と期待しない態度で接していると、それに対応してどんどんダメになっていくことをゴーレム効果と言います。
このピグマリオン効果、ゴーレム効果は、ともに世界的に認められた研究です。
そう考えると、親や先生がいかに否定的な言い方をせず、ポジティブになれるかが重要だということがわかります。次に、ついつい言ってしまいがちな否定的な言葉をご紹介いたします。
宿題を忘れた子どもに、
「この言葉」を言っていませんか?
よく聞く否定的な表現に「あなたはいつもそうでしょ!」というものがあります。
例えば宿題を忘れてくる子がいて、それをお母さんが知ると「どうして、あなたはちゃんと宿題やっていかないの! いつもそうでしょ!」と言います。
お母さんの言う通りなのですが、この「いつもそうでしょ!」というのはできるだけ避けたい表現です。
宿題を忘れてくるのは、もちろんよくありません。「どうして宿題をちゃんとやっていかなかったの? 次はやれるよね」という言い方はいいと思います。叱るべきところはきちんと叱るべきですから、当然、私も厳しく叱ります。
でも、いつも宿題を忘れているから叱るのではなく、「今日、宿題を忘れたから叱る」というスタンスを崩してはいけません。「いつも宿題を忘れてくる子」という否定的な思いを親や先生が持ってしまったら、その悪い期待通りに子どもは育ってしまうからです。
同じように、テストが返ってきたときに、お母さんが何気なく「あなたは計算問題がホント苦手よね」とか「漢字がいつも書けないわね」と言ってしまうことがあります。
上手に「期待感」を伝えてあげれば、
子どもはどんどん変わる!
お母さんは子どものことをよく知っていますから、「この子は計算ができない」「漢字の書き取りが苦手」ということももちろんわかっています。でも、それをどう言うかについては、もうひと工夫して欲しいのです。
仮に計算問題が苦手だったとしても、注意深く観察すれば「分数の計算は苦手。でも小数の計算はまあまあできている」ということは必ずあると思います。
そんなとき「毎日小数の計算問題をやっているから、やっぱり小数の計算は得意なのね。分数の問題も毎日少しずつやれば、絶対できるようになるね」など、ほんのちょっとでいいので言い方を変えてあげて欲しいのです。
お父さん、お母さんが否定的な言い方をすることなく、上手に期待感を伝えてあげれば、必ず子どもは「そういうものかな」「そうか、やればできるようになるかな」と徐々に思い始めていきます。
小学校高学年、中学生にもなっていけば、伝わり方も変わってきますが、もう少し小さいうちは、親の言い方がダイレクトに子どもに伝わり、子どもの成長に影響するので、そこはぜひ気をつけてあげてください。
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