【ヨハネスブルク=上杉洋司】西アフリカで感染が広がるエボラ出血熱の死者が1000人を超え、欧州でも12日、初めて死者が出るなど影響が広がっている。
世界保健機関(WHO)は11日、ギニア、シエラレオネ、ナイジェリア、リベリアの4か国の感染者は1848人、死者は9日までに1013人に達したと発表した。
ロイター通信などによると、リベリアで感染後、スペインに帰国して治療を受けていた司祭男性(75)が12日死亡した。米国で開発された未承認の新薬「ZMapp(ズィーマップ)」を投与され、治療が続けられていた。ZMappは、サルで動物実験は行われているが、人間に対する安全性などは確認されていない。
リベリアのブラウン情報・文化・観光相は12日、エボラ出血熱に感染した同国の医師2人に、ZMappを投与する方針を明らかにした。米食品医薬品局(FDA)の輸出許可を待っている段階だという。
AFP通信によると、シエラレオネでは8日までに患者の治療にあたっていた中国人の医師7人と看護師1人の計8人が感染したとして隔離された。
トーゴのサッカー協会はアフリカ・サッカー連盟に対し、ギニアで9月上旬に予定されているアフリカネーションズカップ最終予選の開催地変更を求めたと、AP通信が伝えた。ギニアのサッカー協会は、問題はないと反発している。
国連児童基金(ユニセフ)によると、シエラレオネでは感染者が治療センターから勝手に自宅に帰ったり、感染が判明した子どもを親が捨てたりするケースもあるという。
(2014年8月13日 読売新聞)
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