低所得の家庭の子どもは休日の朝食を抜きがちで、野菜はあまり食べず、インスタント食品をよく食べている――。小学生約900人を対象に実施した厚生労働省研究班の調査で、こんな傾向が明らかになった。
これまでも家できちんと食事を与えられていないのではと、疑われる子どもの存在が関係者から指摘されてきた。研究班は、世帯の経済状況と食生活の関連を示す初の本格的な調査としており、給食などで子どもの栄養をどう補っていくかが課題となりそうだ。
調査は新潟県立大の村山伸子教授らが2013年9~12月、東日本の4県6市町村で実施。小学5年生923人とその保護者から子どもの食事内容と保護者の所得について、回答を得た。標準的な所得の半分を下回る世帯を低所得とし、それ以外の一般世帯の子どもと比べた。
子どもの性別や居住地域、家族構成を調整して分析。この結果、低所得世帯の子どもが「休日の朝食を食べない、または食べないことがある」と答える確率は、一般世帯の1.6倍に上った。
また「家庭で野菜を食べる頻度が低い(週2、3回以下)」は2.0倍、「インスタント麺やカップラーメンを週1回以上食べる」は2.7倍と、それぞれ大きな差があった。
村山教授は「貧困家庭の子どもの食事は主食に偏りがちで、栄養バランスが崩れている可能性がある。親の食の知識の有無なども分析し、対策を考えたい」と話している。〔共同〕