長時間スマホ「学習効果減」東北大調査受け、小野市が啓発開始
スマートフォンや携帯電話を使い過ぎると学習の効果を打ち消される恐れがあるという東北大学の川島隆太教授(55)らによる調査結果が、教育関係者の注目を集めている。ゲーム機などで長時間遊んだ後、脳がうまく働かなくなるのと同じことが起こっていると考えられ、川島教授が教育行政顧問を務める小野市では、小中学生と保護者への啓発を始めた。(吉田敦史)
東北大と仙台市教育委員会が2013年度、同市内の中学生約2万4千人を対象にした学力検査と生活・学習状況調査の結果を基に調査。平日の家庭学習時間、スマホなどの利用時間と、平均点との相関関係を分析した。
その結果、2時間以上学習していてもスマホなどを3時間以上使う層は、学習時間は30分未満でもスマホなどを全く使わない層より点数が下がることが明らかになった。
川島教授は、テレビを長時間見ると脳の前頭前野に悪影響が出ることや、ゲーム機などで遊んだ後に脳の機能がなかなか回復しないことと同じ現象が起こっているとみて、検証を急いでいる。
これを受けて小野市では6月下旬から、市内の小学4年~中学3年の全学級で啓発授業を始めた。
川島教授らの調査結果を伝えるとともに、スマホや携帯電話をどう使うべきかを児童生徒に考えさせる。授業で使う学習用プリントには保護者の記入欄も設けて家庭での議論につなげ、PTAなども含め全市的な取り組みを展開していくという。
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【ルールを守るのが大事】
川島隆太教授の話 親子で一緒に考え、ルールを守ることが大事だ。勉強するときや寝るときは電源を切るというのが最低限必要で、まずはそこから。それでも子どもや家庭が変わらないのであれば、中学生以下は所持を禁止したほうがいい。それほど深刻な問題だ。酒やギャンブルと一緒で健全な成長を阻む恐れがある。
http://news.goo.ne.jp/article/kobe/business/kobe-20140709005.html