病気になったとき直面する「医療費」。高額な医療費がかかったときに、支払い額を減らすことができる制度がある。どのような手続きをすればいいのか?医療費の制度をしっかり紹介。
●チョイス 高額療養費制度
医療機関や薬局の窓口で支払った金額が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給するというものです。
最終的な自己負担金額となる毎月の「負担の上限額」は、加入者が70歳以上かどうかや、加入者の所得水準によって分けられています。70歳以上の方には、外来だけの上限額も設けられています。詳しく知りたい方は、厚生労働省のホームページ「健康・医療」「高額療養費制度を利用される皆さまへ」でも確認することができます。
高額療養費制度には「世帯合算」と「多数回該当」という仕組みがあります。
「世帯合算」は同じ世帯の家族(同じ医療保険に加入している方に限ります)の受診について、窓口でそれぞれ支払った自己負担額を1か月単位で合算。その金額が負担上限額を越えていれば、越えた分が高額療養費として支給されます。
※ただし、70歳未満の方の受診では、各々が2万1千円以上でないと合算できません。
「多数回該当」について
直近12か月の間に、すでに3回以上の高額療養費制度の支給を受けている場合には、4回目からその月の負担の上限額がさらに引き下がります。
●チョイス 限度額適用認定証
限度額適用認定証は平成19年4月からスタートしました。
「認定証」などを提示すれば、自己負担限度額を超える分を窓口で支払う必要はなくなります。
この取り扱いを受けるには、事前に「限度額適用認定証」を入手していただく必要があります。認定証の交付手続きについては、ご加入の健康保険組合、協会けんぽ、または市町村(国民健康保険・後期高齢者医療制度)などにお問い合わせください。
●医療点数について
診察料は基本点数が決まっていて、初診料は282点(2,820円)、再診料は72点(720円)となっています。
病院によっては、診察における指導内容によって外来管理加算52点が加算されます。
●チョイス 差額ベッド料
一人で入院したいなどの特別な環境を求める方のために個室などの病室を設けています。
その病室を選んだ場合には「差額ベッド料」の料金がかかります。医療費領収書では「保険外負担」という項目になります。差額ベッド料は、保険適用ではなく、全額自己負担、消費税がかかります。
入院するときには、入院承諾書など、さまざまな同意が求められます。緊急でよく理解できないときには、一度、保留して家族と相談してから決める方が良いでしょう。同意書にサインしてしまうと、理解していなくても「同意したこと」になりますのでご注意ください。
ポイント1 サインしたら同意したことになる
ポイント2 一度保留して、後から決める
Q 空きベッドがない、と言われたらどうすればいいの?
A 差額ベッド代は、入院したら必ずかかるというわけではありません。
空きベッドがないからと言われて差額ベッド料のかかる部屋への入室を余儀なくされるトラブルがあります。患者が望む病室が空いていなければ、空くまでの間、入院を見合わせるということも考えられます。緊急の場合に、患者が選択していないのに差額ベッド料がかかる病室に入院した場合は、病院は差額ベッド料を請求してはいけないと厚生労働省から通達されています。
例えば、
「同意書による患者の同意確認を行っていない場合」
「治療上の必要があって個室を使用した場合」
「院内感染の防止など病棟管理上の都合で個室を使用した場合」
です。
こうした場合は差額ベッド料は請求できないことになっています。
NHK「チョイス」2014年6月14日(土)放送分
http://news.goo.ne.jp/article/choice/life/choice-20140614-c-001.html