[ カテゴリー:子育て, 生活 ]

スゴ技Q 子どものやる気“ON”の極意

新学期が始まって2か月。勉強も本格化してくる一方、子どもがなかなか勉強にやる気を見せてくれずに、イライラしている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回、こどものやる気に注目してきた私立の女子校を取材。最近中学3年生を対象に行ったアンケートをもとに「こどものやる気」をおこさせるのに効果的な言葉を探りました。
さらに、脳科学の視点からわかった環境作りや、苦手科目に立ち向かうためのウォーミングアップ術、そして、声をかけるタイミングなどのスゴ技をご紹介しました。

■やる気が出る言葉&やる気をなくす言葉
都内にある私立の中高一貫校、品川女子学院では、子どものやる気を引き出す取り組みをしているなかで、中学3年生全員200人あまりを対象に、やる気に関する4項目のアンケートを取っています。
番組では、アンケートの中から「やる気が出た親の言動」、「やる気がなくなった親の言動」について紹介しました。
まず「やる気が出た親の言動」のトップ3は、3位「褒められたとき」、2位「頑張ったのを認めてくれたとき」、1位「ご褒美があるとき」でした。
逆に、「やる気がなくなった親の言動」は、5位「~しちゃダメ」、4位「認めてくれない」などに続き、1位は「~しなさい」という言葉でした。今回の子どもたちの座談会でも「今からやろうと思っていたのに命令されて反発心が芽生える」などの意見が出ました。
では、何と言えばいいのか、このアンケートの取り組みの中心となっている校長の漆紫穂子さんに教えてもらいました。その言葉とは「宿題はお風呂の前にする?あとにする?」というように「選択肢をあげる」こと。漆さんによると、「子どもに選んで決めさせることで、プライドを待たせることができ、また、自分で選んだことを口に出すことで人は行動に移しやすくなる」そうです。

最近の脳の研究でも、自分で選んで決めることに効果があるという結果が出ています。脳の働きからやる気を研究している玉川大学教授の松元健二さんは、実験で選択肢の有無による成功率の差と脳の変化を調べました。その実験の内容は、ストップウォッチを5秒ちょうどでとめるというもので、画面上に現れた2つのうち1つを選ぶ場合と、選べない場合で比較しました。その結果、自分で選んだ方が、成功率が高いことがわかりました。さらに、デザインを選べない条件で失敗したとき、やる気に関わる脳の反応が低下したのに対し、自分で選んだ条件だと、失敗しても低下しませんでした。つまり、自分で手段を選べば、たとえ失敗しても、やる気がそがれる恐れが低くなるのです。

実験データ提供:松元健二さん(玉川大学 脳科学研究所)

<取材協力>
漆紫穂子さん(品川女子学院 校長)
松元健二さん(玉川大学脳科学研究所 基礎脳科学研究センター 大学院 脳情報研究科 教授)

■やる気が出る環境「一定の場所」
脳神経外科医の林成之さんは、勝負に勝つための脳の働かせ方について、競泳の日本代表チームやなでしこジャパンに教えてきました。今回は、そのノウハウを、子どもの勉強のやる気“ON”に応用し、宿題や勉強になかなか取りかかれなかったり、集中できなかったりする子どものやる気を引き出すコツを教えていただきました。
そのコツの1つめは「環境を整えること」です。その際、2つのポイントがあります。

1.一定の場所で勉強すること。
その際、子どもと一緒に勉強場所を決めるというステップを踏むといいと言います。

2.勉強以外の物を片づけること。
ゲームなど自分が好きな物が近くにあることは、ご褒美を先にもらうようなものなので、目の届かない場所に片づけるといいと、林さんは言います。

コツの2つめは、勉強する姿勢です。林さんオススメの「やる気が出る姿勢」は、鎖骨と胸をつないだ体軸をまっすぐにしながら、「少し前に倒した姿勢」です。体を前に倒すと、視界が狭まり、目に入る余分な情報が減るので、集中しやすくなるそうです。

<取材協力>
林成之さん(脳神経外科医、元日本大学医学部 教授)

■やる気を持続させる!「ナナメの関係」
モチベーション論の研究者、同志社大学教授の太田肇さんに、勉強の集中力を持続させるための言葉の選び方や、声をかけるタイミングについて聞きました。
まずは、母親が子どもに命令したり、否定する言葉を使ったりすることで生まれる「縦の関係」を改善すること。「集中して!(命令)」や「雑になってきている!(否定)」などの言葉を多用すると、子どもは自分でやろうとする意志を失いがちです。そこで、オススメなのが兄弟姉妹のような「ナナメの関係」、つまり、子どもが自分でやろうとするのを少し上から見守る関係です。そのためには、「命令」や「否定」でなく、「提案」する言葉を使うがポイントです。

<例>
×「今やらなきゃいけないプリントやりなよ」
〇「こっちの方を先にやった方がいいんじゃないかな」

×「雑になってきている」
〇「もう少し丁寧にやった方がいいんじゃないかな」

話しかけるタイミングも大切です。例えば、子どもが漢字の書き順を間違えたとき、すぐに指摘せず、その字を書き終えたあとに指摘するようにします。動作が完結していないときに指摘すると関心が注意されたことに移ったり、達成感が得られなかったりするためです。

<取材協力>
太田肇さん(同志社大学 政策学部 教授)

■「成功体験」で苦手意識の壁を越える!
苦手な教科の勉強には、なかなか勉強場所につかず、始めてもすぐ飽きてしまう・・・。そんな子どもに脳神経外科医の林成之さんが提案するのが、お母さんお手製で、得意な教科で作った「ウォーミングアップ用の問題」です。苦手な教科の宿題をする前に、得意な教科で、かつ、やればできる程度の簡単な問題を子どもに解かせ、「成功体験」を積み重ねることで、「線条体」というやる気がおきる脳の部分が活発になり、苦手な宿題や勉強にも向き合えるようになると言います。逆に失敗の経験が多い不得意な教科は、線条体の働きが抑えられがちになるそうです。

林さんオススメ!「ウォーミングアップ用の問題」作りのポイント
・お母さんが問題を作るとき、子どもも一緒に座り、テーブルにつく習慣を作る。
・全問正解できるくらいのやさしい問題にする。
・子どもが解き終ったら、お母さんがマルをつけて褒める。

<取材協力>
林成之さん(脳神経外科医、元日本大学医学部 教授)

番組およびこのページは特定の製品・店舗を推奨するものではありません。
製品・サービスの特性や使用上の制限、契約内容・条件などについては、各自におかれまして、メーカーや販売会社に十分ご確認ください。

NHK「あさイチ」2014年5月27日放送分

http://news.goo.ne.jp/article/asaichi/life/asaichi-20140527-a-001.html

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