高血圧の人は食塩1日6g未満を目標に。自分の食塩摂取量を知ることも大切。国立循環器病研究センターが考案した減塩メニューも紹介。
1.積極的に減塩を
食塩のとり過ぎは、高血圧の最も大きな要因の1つです。平成23年の厚生労働省の調査によると、日本人の1日の食塩摂取量は平均10.4gで、多くの人が1日10g以上の食塩をとっていると考えられます。高血圧がある人の場合、1日の食塩摂取量は6g未満にするのが基本です。積極的に減塩に取り組みましょう。
2.減塩のポイント
減塩を始めるにあたっては、「調味料はしっかり量る」「食塩の多い食品は控える」「食べ過ぎない」という3つのポイントを押さえることが大切です。塩やしょうゆなどの調味料は、1mL、0.5mL、0.1mLといった単位で測れる計量スプーンなどで、正確に量って使いましょう。また、薄味にしても、食べる量が多いと摂取する食塩の量は多くなってしまうため、食べ過ぎにも注意が必要です。
食品の中で食塩を多く含んでいるのは、ラーメンなどの麺類、みそ汁などの汁物、漬物、つくだ煮、魚の干物などです。このほか練り製品や加工肉も意外に多く含みます。また、外食や調理済みの食品も食塩を多量に含んでいることが多いので、注意します。
3.効果的に行うために
減塩を効果的に行うためには、1日にとっている食塩の量を知ることが大切です。食塩摂取量を調べる方法の1つが、食事内容を細かくチェックすることです。自分で調べることもできますが、医療機関の管理栄養士に確認してもらうことも可能です。もう1つ、尿中ナトリウム量を調べる検査を受けるという方法もあります。摂取した食塩のほとんどは尿に排出されるので、尿中のナトリウム量を測定すれば、1日の食塩摂取量を調べることができます。24時間の尿をためて検査する方法が最も正確ですが、1回の尿から推測する検査や、家庭で測る塩分摂取量簡易測定器などもあります。こうした方法で食塩摂取量を調べ、食塩をとり過ぎていることがわかった場合は、直ちに減塩に取り組みましょう。
4.減塩してもおいしく食べる
減塩すると味気なくなると思われがちですが、塩分控えめの「万能だし」と食材の「うまみ」を上手に活用すれば、おいしく食べることができます。それぞれの食材に“本当に必要な量”の食塩だけを使った減塩レシピを紹介します。
●万能だしのつくり方
材料/分量
・だし(1)・・・1.3L
・砂糖・・・30g
・うす口しょうゆ・・・ カップ1/4
・塩・・・ 6g
☆作り方
(1)だしをつくる。1.8Lの湯を沸騰させ、火を止めてから30gの削り節を入れる。削り節が沈んだら軽くひと混ぜし、20~30秒おいてからペーパータオルをしいたざるでこす。
(2)鍋に、だし(1.3L)と他の材料(砂糖・うす口しょうゆ・塩)を入れ、ひと煮立ちさせる。
※食材を下ゆでするときは、万能だしとだしを2:1の割合で合わせた下ゆで用万能だしでゆでる
●高野豆腐と根菜の煮もの
(塩分量0.6g)
材料(2人分)/分量
・高野豆腐(戻したもの/4等分)・・・10g
・大根(一口大に切る)・・・40g
・にんじん(厚さ7 で花形に切る)・・・15g
・さやえんどう(筋を取って半分に切る)・・・5g(2枚)
・万能だし・・・適量
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・砂糖・・・小さじ2
・塩・・・1.2g
・うす口しょうゆ・・・香り付け程度
・だし・・・80mL
☆作り方
(1)大根、にんじん、さやえんどうを熱湯でゆでて水けをきり、さやえんどうは万能だしに浸す。
(2)鍋にAを煮立てて高野豆腐を入れ、落としぶたをして弱火で15分間煮、火を止める。
(3)別の鍋に大根と万能だしを入れて沸騰させ、落としぶたをして弱火で10分間煮る。にんじんも同様に5~6分間煮る。どちらも火から下ろして味を含ませる。
(4)(2)と(3)の汁けをよく切って器に盛り、さやえんどうを添えて煮汁を大さじ2ほどかける。
NHK「きょうの健康」2013年5月8日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140528-h-001.html










