[ カテゴリー:生活, 社会 ]

お金が貯まらない理由は、夫婦の会話にあった!

●中野家の家計
――会話ナシすれ違い夫婦は家計も一触即発

夫は付き合いの飲み会が多くこづかいが多い。対抗して妻はパート代をすべて自分のこづかいに。昨年、夫はFX投資で100万円以上の損失を出し、さらに酒量が増加。

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【年収(税込)】[夫]870万円[妻]60万円【貯蓄額】350万円
【家族構成】[夫]48歳 大手企業社員[妻]45歳 パート勤務[長男]16歳 私立高校1年

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●富沢家の家計
――3歳違い姉妹の教育費ヤマ場を乗り切る計画家計

3つ違いの第二子が生まれてから、妻はライフプラン表を作成し、計画的に教育費を準備。教育費のメドがついた今は、老後をにらんで住宅ローン完済を目指す。

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【年収(税込)】[夫]820万円[妻]90万円【貯蓄額】920万円
【家族構成】[夫]45歳 大手企業社員[妻]45歳 パート勤務[長女]17歳 私立高校2年
[次女]14歳 公立中学2年

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■投資でソンして酒量が増える

収入が増えるのに比例して明らかに膨らんでいくのが教育費だ。私立に通う子どもがいれば、年収900万円家庭といえども家計は厳しく、この時期を乗り切るには夫婦の協力体制が欠かせない。ここでいったん歯車が狂うと、家計ばかりか家庭崩壊の危機に陥ることもある。

たとえば、大手企業で管理職を務める中野さん。一人息子が私立に進学してから家計は赤字に転落。このままでは貯蓄が減る一方だ。

実は、赤字の原因は明らか。中野さんは家庭でも職場でも“ワンマン”タイプで、毎晩遅くまで飲み歩き、毎月8万円のこづかいを死守している。

「これは自己投資」というのが中野さんの言い訳だ。昨年は妻に無断でFX投資を行い、100万円の損を出した。これを知った妻がなじると、さらに家に帰らず酒量が増える、という悪循環。妻は頭にきてパート代を自分のために使い出した。今や家庭内での会話はほとんどなく、家計はほぼ無政府状態。それでもなんとか回っているのは、年収が高いからにほかならない。

中野家がまず実行すべきことは、夫婦の話し合いだ。家計の現状を直視して、教育や老後について共通の目的を持つことが改善の第一歩になる。そうすれば、夫婦のこづかいも自ずと減らせるはずだ。長男とも話し合い、毎月の教育費も見直したい。ねだられるままに渡していた臨時のこづかいなどは、ストップしたほうが本人のためにもなる。

「自己投資」と称して飲み歩く人は少なくないが、本当にそれがリターンとして戻ってくるのか考えてみたほうがいい。少なくとも投資で損してヤケ酒を飲むのは自己投資ではないはずだ。失ったお金を嘆いてみてもはじまらない。中野さんはすでに48歳。健康のためにも飲酒の機会を減らし、老後も視野に入れた堅実な資金づくりを始めたい。

■ライフプランで教育費を計画

一方、夫婦の協力体制のもとに着々と貯金を増やしているのは富沢さん。長女と3歳違いの次女が生まれてから、教育費を意識してライフプランを話し合うようになった。3歳違いの姉妹は、上の子が高校入学のときは下の子が中学入学、というように進学する年が重なる。資金計画をしっかり立てないと、進学費用が足りなくなると考えたのだ。

富沢家では、手書きで家族のライフプラン表を作成している。B4判の紙に表をつくり、横軸に西暦、縦軸に家族の名前を書いて、たとえば長女は何年に中学入学、何年に高校入学、といったように予定を書き込む。こうすれば、いつまでにいくらお金が必要かが一目でわかる。富沢家ではマイホームを買うときも、この表を使って目標を決め、頭金を貯めた。

この表は、機会があるたびに家族全員で見るようにしている。家族で共通の目的を持つことで、子どもたちが無駄づかいしなくなる効果もあるようだ。富沢家の貯金額はすでに1000万円に近い。教育費のメドはついたので、次の目標は老後を見据えた住宅ローンの完済だ。

家族の仲がよく目標を共有していることは、貯金を順調に増やすための重要な条件といっていい。

●富沢家はここが優秀!

・ライフプラン表を作成し、長期的目線あり
・保障は最低限に抑え、割安な保険を選択
・住宅ローン借り換えで65歳前に完済メド

●中野家はここを改善!

・夫婦共通の目標を持って、こづかいを見直す
・子どもとも話し合って、教育費を見直す
・ムダな支出を洗い出し、全般的にカット

(ファイナンシャル・プランナー 八ツ井慶子 編集・構成=有山典子)

http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_12669.html

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