認知症の発症を遅らせる生活スタイルがある。血糖値や脂質の値をコントロールする、寝不足にならない、ストレスをためない、歯周病を防ぐなど、認知症の予防策を紹介する。
1.認知症の原因
認知症とは病名ではなく、何らかの原因で脳が障害され、記憶力や判断力などの認知機能が低下して日常生活に支障が出る状態を指します。原因となる主な病気には、アルツハイマー病と脳血管障害があります。認知症を防ぐには、この2つの病気を予防することが大切です。原因の約7割を占めるアルツハイマー病は、アミロイドβとタウたんぱくという2種類のたんぱく質が脳の神経細胞を破壊していく病気です。糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病、寝不足、ストレス、歯周病、視力・聴力の低下などがアルツハイマー病のリスクになることが、最近の研究で少しずつ明らかになってきました。
2.発症や進行を遅らせるには
アミロイドβやタウたんぱくをたまりにくくする要因も、いくつかわかってきています。科学的な研究で最も効果が高いとされている予防法が運動です。特にウオーキングなどの有酸素運動が効果的とされています。また、野菜・果物に含まれているポリフェノールや、魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)の摂取が認知症予防に有効であることもわかっています。脳へ刺激を与えて脳の神経細胞を活性化させるには、大勢の人と一緒に活動したり(社会的接触)、楽しくコミュニケーションをとることも大切です。
NHK「きょうの健康」2014年4月28日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140428-h-001.html