妊娠中に気を付けたいものとして、貧血があります。女性は毎月のように生理の時に出血しているため、男性よりも貧血の傾向にありますが、妊娠中は特に気を付ける必要があります。
ここでは、妊娠中の貧血について、簡単に解説します。
ヒトの身体の中には、男性ではおよそ3.5g、女性ではおよそ2.5g鉄が存在しています。
この性差は、身体の大きさ、女性は毎月の月経や妊娠時に出血することなどによります。妊娠中は特に、赤ちゃんに栄養を届けるために血液量全体が増加します。しかし鉄分を十分に補えていないと、血液量が増えてもその中の鉄分量は増えないため、結果的に血液全体での鉄分量が不足しているように見えるのです。
これが妊娠中に起こる鉄欠乏性貧血の仕組みです。妊婦のおよそ 20~30%は鉄欠乏性貧血になるといわれています。
症状としては、めまい、動悸や息切れ、疲れやすいなどがあります。貧血が悪化すると、ママの体調が悪くなるだけではなく、赤ちゃんの発育が悪くなったりすることもあります。
ところで、急に立ちあがったりすると、目の前が一瞬、真っ暗になることがありませんか?
これは脳貧血といって、血液の配分がうまくいかず、一時的に脳への 血流が少なくなって起こります。前述の鉄欠乏性貧血の症状の1つでもありますが、鉄分が十分でも、一時的に血圧が低くなった時などには、脳貧血を起こすことがあります。
妊娠は子宮に血液を集めようとするため、血管が拡張し、とくに妊娠初期は脳貧血をおこしやすくなります。長時間おなじ姿勢をとることはさけ、たとえ座っていても足を動かすなどして血液を流れやすくすることが大切です。
貧血は、症状が現れてから栄養素を補うのではなく、日ごろから気を付けておいた方が良いものです。特に妊娠が分かったら、できれば妊娠前からでも、鉄分を多く含む食事を心掛けるようにしましょう。
例えば、ブタ・トリ・ウシのレバー、あさり、ひじき、きくらげ、小松菜やほうれん草などは、鉄分の多い食材の代表です。
また、ビタミンCは鉄分の吸収を助ける効果や、身体の中で血液を作るのを助ける効果があります。梅干しやレモンなどに含まれるクエン酸も、鉄分の吸収を助 ける効果が期待できますので、塩分に注意しながら摂るのも良いでしょう。
それでも貧血が治まらない場合、鉄剤の服用を指示されることがあります。一時的に便が黒くなったり、吐き気や胃腸障害が起こることもありますので、不安な時は主治医に相談しましょう。
MocosukuWoman編集部
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