体外受精で生まれた子どもの割合は、32人に1人(2011年)。近年治療を受ける人は増え続けています。しかしその一方で、当事者の抱える悩みはあまり知られておらず、ちょっとしたコミュニケーションの行き違いから、夫婦や親、そして知人とのあいだに摩擦が生じてしまうことも少なくありません。そこで今回のあさイチでは「不妊治療」の現状と、治療を受けた夫婦の声を徹底取材しました。
スタジオゲストのダイアモンド☆ユカイさんと、益子直美さんの体験談も交えて、不妊治療を経験した方の本音をお伝えしました。
■助成金制度に42歳の線引き
不妊治療には、女性の排卵周期に合わせて夫婦関係を持つ「タイミング法」。
夫の精子を妻の子宮に直接入れる「人工授精」。取り出した卵子と精子を体の外で受精させてから子宮に戻す「体外受精」があります。「体外受精」は基本的に保険適用外で高額なため、夫婦合わせた所得が730万円未満の場合には国から助成金が出ています。しかし、今年度から制度が改正され、年齢制限が設けられることになりました。2年後には、助成金を受けられるのは42歳までになります。揺れる当事者たちの思いを聞きました。
【変わる!不妊治療の助成金(国)】
・42歳まで
・初回:40歳未満・・・6回まで 40~42歳・・・3回まで
・1回:15万円(夫婦所得730万円未満)
不妊治療の助成金制度については、お住まいの都道府県(政令指定都市または中核市の場合は市)までご相談ください。
■夫の本音
さまざまな悩みを抱えながら不妊治療を続ける中で、大切なのが夫婦関係。去年、大阪にオープンした不妊治療クリニックには、夫婦一緒に治療を受けにくる人が増えています。一方、治療をしたことで夫婦関係が悪化し、離婚してしまう場合も少なくありません。治療中の夫たちの本音を聞いたところ、「排卵日にセックスすること自体がプレッシャー」「不妊治療クリニックで精子を採る行為が苦痛」といった声が聞こえてきました。どんな治療をいつまでするのか、子どもを授からなかったときはどうするかなど、夫婦間でしっかり話し合っておくことが大切だと言います。
【不妊治療中の悩み】
・お金
・卵子の老化
・親や友人の無理解
・仕事
・薬・検査・採卵などの苦痛
・夫の協力
■夫婦一緒に診察できる大阪の不妊治療クリニック
「リプロダクションクリニック大阪」
■不妊治療への無理解
不妊治療の専門誌「赤ちゃんが欲しい」で、不妊治療体験を漫画にして連載していた赤星さんに、治療のつらさや、周囲からの心ない言葉で傷ついた経験などを伺いました。
■妊活イラストレーター
赤星ポテ子さん
■季刊「赤ちゃんが欲しい」(主婦の友社)
※大手書店などで販売されています。
※現在は、赤星さんの漫画連載は終了しています。
■妊娠・出産はゴールじゃない
不妊治療を経て妊娠した人は、苦労した分だけ過剰に心配になってしまう人もいます。
妊娠初期の方の悩みを解消するために、神戸の不妊治療クリニックが行っているセミナーを
紹介しました。
■「妊娠初期セミナー」(クリニックで治療後に妊娠した方が対象)
毎月第3火曜日 午後2時~(無料)
■英ウィメンズクリニック
■NPO法人Fine(ファイン)
ホームページ:https://j-fine.jp/
不妊体験者を支援するNPO法人では、電話、対面、カップル、グループなど、さまざまなカウンセリングを行っています。
■吉村泰典さんの著書
「間違いだらけの高齢出産」(新潮社)
番組およびこのページは特定の製品・店舗を推奨するものではありません。
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NHK「あさイチ」2014年4月14日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/asaichi/life/asaichi-20140414-a-001.html