衆院の拉致問題特別委員会の議員団13人が21日、佐渡市を訪問し、拉致被害者の曽我ひとみさん(54)や、特定失踪者、大沢孝司さん=失踪当時(27)=の家族や支援者と面会し、拉致現場や失踪現場を視察した。同委が佐渡市を訪れたのは初めて。拉致被害者らへの給付金支給を定めた「拉致被害者支援法」が来年3月に期限を迎えることから、曽我さんらから意見を聞いた。
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議員団は曽我さんのほか、県や佐渡市、県警とも意見交換した後、曽我さんと母のミヨシさん=拉致当時(46)=が拉致された真野地区の現場を視察した。
面会後、曽我さんは報道陣に「一番心配なのは母親のこと。帰国を待ちわびている家族は高齢になっており、これまで以上のスピードで解決してほしいと言った」と述べた。
出席した議員によると、曽我さんは夫、ジェンキンスさん(74)が高齢なことから介護や生活への不安を口にする一方、「いつまでも(国の支援に)甘えていていいのかという思いもある」と話したという。
議員団は大沢さんの兄、昭一さん(78)や大沢さんの元同僚、支援者とも面会し、大沢さんが失踪した新穂地区を視察した。
視察後、山本拓委員長は「今後帰ってくる人たちのためにも、帰国した拉致被害者の意見を聞きながら、拉致被害者支援法の改正に向けて検討していきたい」と発言。大沢さんら特定失踪者についても、政府は拉致被害者と同様の扱いで警察などに調査するよう指示を出しているとした。
こうした政府の対応に対し、昭一さんは「特定失踪者の家族としてこうした場に呼ばれたのは初めて。安倍晋三首相が特定失踪者も分けへだてなくやってくれる姿勢をひしひしと感じる」と話していた。
支援法は拉致被害者が帰国した平成14年に成立。22年に改正され、支給を5年間延長することが決まった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140422-00000026-san-l15