この世の中には色々な“病気”があり、その多くは男女ともに共通しているものです。しかしその病気にも男女差があるものもあります。
ここでは、花粉症、大人ニキビや便秘など、女性にとって身近な病気について簡単に解説します。
花粉症になると、春や秋に、鼻水・くしゃみ・目の痒みや目やになどの症状がみられます。
これは空気中に飛んでいる花粉(春はスギ、秋はブタクサなど)による“アレルギー”が起こす症状です。通常は体にはいってきた異物を排除するための仕組み(=免疫)が、特定の異物(=アレルゲン、たとえば花粉)に対して過剰に反応することがアレルギーであり、カラダの色々なところに不調を来します。花粉というアレルゲンに対して、鼻や目の粘膜が不調を来しているのが花粉症なのです。
花粉症患者数は年々増え続け、正確な数は分かっていませんが、ある調査によると国民の16%、およそ2,000万人を超えるのではと予測されています。
花粉症は男女ともにかかる病気ですが、女性ホルモンが免疫力に関係していると考えられており、妊娠中に症状が強く出る人もいます。
受診する場合は、鼻の症状は耳鼻科、眼の症状は眼科が一般的ですが、アレルギー科などがある場合は総合的に診てくれることもあります。それぞれの症状に対するお薬(点鼻薬、内服薬、点眼薬など)による治療が中心ですが、アレルゲンに対する耐性をつける根本治療もあります。
ニキビとは頬・額・小鼻・アゴ・首などにできる吹き出物で、時に赤い吹き出物になって膿がたまる場合があります。お肌はカラダの中で最も面積が多く、カラダの中の不調が現れやすい部位であるといえます。思春期のニキビは男性ホルモン(女性のカラダにも男性ホルモンはあるのです!)と女性ホルモンのバランスが整っていないために起こることがほとんどです。
しかし20代や30代にできるいわゆる大人ニキビは、女性ホルモンの分泌がアンバランスになって起こります。女性は排卵後から生理が始まるまでの間、プロゲステロンという皮脂分泌を活発にする働きのある女性ホルモンが増えるため、生理前に血流の低下や胃腸の働きの低下を招き、これが大人ニキビの原因になるといわれています。
受診する場合は皮膚科が一般的ですが、最近増えてきた女性専門クリニックなどでも大人ニキビに対応してくれるところも多いようです。基本的には塗り薬による治療ですが、食事や生活改善、場合によっては女性ホルモンに関する治療を行うこともあります。
便秘や痔も、女性ホルモンの働きと密接な関係があります。排卵から生理までの間はプロゲステロンというホルモンの分泌量が増えますが、これが腸の蠕動運動を弱めてしまうので、便秘しやすくなります。
しかし生理が始まるとプロスタグランジンという痛み物質が増えるため、今度は下痢しやすくなります。このように女性は生理周期に伴って便秘と下痢をくり返しているのです。
そうなると当然、肛門にも負担がかかり“痔”になることが多いのです。一般に“痔”はオジサンの病気と思われがちですが、実は男性よりも女性の方が患者数は多く、さらに女性の場合は妊娠・出産により“痔”になることが多いのが特徴です。
受診する場合は、外科や肛門科ですが、女性の場合は一度婦人科で診てもらうと良いかもしれません。必要であれば他の科(医療機関)を紹介されます。治療法としては、軽い場合は塗り薬などによる治療ですが、状態によっては手術が必要となる場合があります。
(監修:有秋台医院 副院長 医学博士 鶴岡信栄先生)
MocosukuWoman編集部
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