[ カテゴリー:医療, 生活 ]

18種類処方の人も 多剤併用 組み合わせ、量で副作用も

多種類の薬を同時に服用する多剤併用(ポリファーマシー)。医療機関を自由に選べる日本特有の現象ともいえるが、薬の組み合わせや量によっては副作用が出ることもある。体の複数の箇所に不調が現れる高齢者ほど、その傾向が強く、医師や薬剤師は「安易に薬を飲み続けることによる危険性に、目を向ける必要がある」と警鐘を鳴らす。

(片岡達美)

「こんなにたくさん薬を飲んでいるが、大丈夫でしょうか」。神戸市灘区にある内科などの診療所「井上クリニック」を訪ねた男性(79)は、井上隆弥院長に相談した。

男性は高血圧や腰痛などの症状があり、整形外科と別の内科を受診。鎮痛剤や血圧の薬、アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン剤など、計18種類もの薬が双方の医院から処方されていた。

さらに「血液検査をしてみると腎臓の機能が悪く、腰痛治療のため処方されていた鎮痛剤は本来、男性には使ってはいけないものだった」と井上院長。痛みを緩和するペインクリニックの役割も担う井上院長は、男性の腰痛については痛み止めをやめても症状は悪化しないと判断し、鎮痛剤の中止後、ウオーキングを勧めた。

認識不足

現在は血圧を安定させる薬に限り、計8種類にまで減らしたが、症状は安定しているし、痛みも気にならないという。

こうした状況を招いてしまった原因に、井上院長は「痛みに対する医師の認識不足」を挙げる。

「痛みには骨折や裂傷など病態がはっきりした痛みと、慢性の腰痛や肩凝りなどのような病態があいまいな痛みがある」とし、「日本ではまだ痛みが起こる病態を見極めることなく、安易に痛み止めを処方する傾向がある」と指摘。その結果、本来は必要のない量、種類の薬になってしまうとみる。

市販薬でも

「かかりつけ医制度を定着させ、薬も一元的に管理することができれば」と話すのは兵庫県薬剤師会の笠井秀一副会長。だが現在、医薬分業は70%近くにまで進み、「薬局を1カ所に決めている人はまれ」と分析する。

そうした中、多剤併用を防ぐのが「お薬手帳」だ。「複数の医療機関にかかる際、医師にも手帳を見せれば必要な分しか薬は処方されないはず」

ただ、「できれば多めに薬を持っていたい」「たくさん処方してもらう方が安心する」と考える患者は多く、お薬手帳もなかなか定着しないのが実情という。

安易な市販薬の服用も、危険性をはらんでいる。総合感冒薬には解熱剤、せき止め、痛み止めなど6~7種類の薬が複合的に入っていて、「それだけで多剤併用と言っていい」と笠井副会長。「薬の種類が増えるほど、副作用の危険性も増すということを認識しておいてほしい」と呼び掛ける。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140407-00000009-kobenext-hlth

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