日本人間ドック学会などが作る専門家委員会(委員長=渡辺清明慶応大名誉教授)は4日、人間ドックの血液検査で「健康」とされる基準値の範囲を広げた新たな基準値を発表した。
人間ドックや企業の健康診断では通常、血液中の白血球数やコレステロール、中性脂肪などの値が基準値の範囲内に入るかどうかを判定している。ただ、基準値は各施設が独自で決めたり、同学会が公表している判別値を使ったりしており、統一されていない。
委員会は基準値のばらつきをなくそうと、平成23年に人間ドックを受けた150万人の中から、重大な既往歴がなく薬物治療や喫煙をしていない健康な成人約1万人を抽出してデータを分析。その結果、現状の基準値の範囲を超える値でも健康を維持している人が多くいることが判明し、基準を改めた。
新基準値では150未満が良いとされてきた男性の中性脂肪が198以下に。120未満が良いとされてきたLDL(悪玉)コレステロールは、男性178以下、女性は年齢を3段階に分け、高齢女性で190以下となった。
ただ、新基準値を適用するかどうかは人間ドックの実施施設に任せられており、どの程度浸透するかは不透明という。
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