近年、うつ病と身体の関係が取りざたされている。心と脳の病気と思われがちなうつ病だが、身体と密接な関係があるという。そこで、骨盤のゆがみなどから、うつ病を治療する健療施術院院長・鈴木直人先生に、うつ病と身体の関係についてお聞きした。鈴木先生はうつ病は身体の病気と言い、身体のケアだけで6~7割の患者さんは治り、9割の患者さんは改善の兆しを見せるという。
「皆さん、日常生活の中で我慢することが多いと思います。この我慢がうつ病と大きな関係があるんです。我慢、つまり感情を押さえようとすると、身体のどこかに力が入って、筋肉が緊張した状態になります。そして、この感情はエネルギーでもあるので、例えば100の感情エネルギーがあったとして、それを筋肉で押さえるためには100以上のエネルギーが必要になるんです。すると、感情と筋肉を合わせて200以上のエネルギーが使われることになります。うつ病はこのエネルギーを使いすぎた結果発病するのです」
こうして、我慢を続けていると、身体にもそのサインが出始めるという。
「うつ病になる兆候としては、首、お腹、肩、のどなどに症状が出始めます。首の後ろの痛みや、腹痛、肩コリ、声が出づらい、物を飲み込みづらいなどの影響がありますね」
特に就活時の面接や、社会人になってからのやり取りでは、極度に言葉に気を使うため、のどへの症状も出やすいのだとか。では、そういった症状が出る前に、自分でできる身体のケアはないだろうか?
「オススメは相撲の『四股』を踏むことですね。特に現代の人は我慢したり、頭を使うことが多いので、エネルギーが頭に登っている状態、東洋医学でいうところの『上気』した状態になっているんですね。そこで、四股を踏むことによって、上に溜まった気を全身に巡らせることができ、バランスが保てます。また、のどに関しては、大きな声を出すことが一番ですね。カラオケがオススメですよ。ただし、上手く歌おうとすると余計にのどに負担がかかるので、下手でもいいから思い切り歌うことが大事です(笑)」
そのほか、鈴木先生によると、ウォーキングや階段の上り降り、縄跳びといった上下運動、学校や会社で我慢して言えなかったことを自宅に帰ってから声に出すことも効果的だとか。また、カフェインや糖分は無理矢理エネルギーを放出してしまい、結果的にエネルギー不足=うつ症状を誘発してしまうため、摂りすぎには注意が必要だそう。
もし身体に上記のような兆候がでたら、四股などの運動をして改善を図ってみよう。もちろん「最近おかしいな、調子が悪いな」と思ったら、専門医に相談することもお忘れなく。
鈴木直人先生
神奈川県藤沢市、川崎市、東京都渋谷区・代々木上原に施設を構える健療施術院院長。生理学・解剖学・スポーツバイオメカ二クス・姿勢分類学・東洋医学・心理学などを取り入れ、うつ病・自律神経失調症の治療を行う。著書に『うつ病・自律神経失調症 治る人治らない人』(メタモル出版)がある。
健療施術院
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