腰痛があるとつい安静にしがちだが、ドクターストップがかからなければ無理のない範囲で動かすことが大切だ。自宅でも簡単にできる腰痛対策の運動をお伝えする。
1.腰痛は 悪い姿勢などが原因
腰は、上半身を支えるという重要な役割をもっています。腰の前側には腹筋・大腿四頭筋など、後ろ側には脊柱起立筋・多裂筋・殿筋・ハムストリングなど、多くの筋肉があり、これらの筋肉が腰を支えることによって、しなやかで安定した動きが可能になっています。悪い姿勢や腰に負荷のかかる動作を続けていると、これらの筋肉に負担がかかり、こりや痛みが生じます。加齢に伴って筋肉が硬くなったり弱くなったりすることも、腰痛の一因です。対策のためには、正しい姿勢を保つためのストレッチや筋力トレーニングが有効です。
正しい姿勢とは、頭が上からつるされているイメージで「後頭部、肩甲骨、お尻、かかとを壁にぴったりつけて立ち、あごを少し引いて背筋を伸ばし、腰と壁の間に手のひらが入る程度の隙間ができている状態」です。反対に、悪い姿勢は「腰が反っている」「おなかが出ている」「腰が曲がっている」状態です。
2.腰を支える筋肉を伸ばす・鍛える
注意
・無理のない程度に行う
・けがをした直後や重度の椎間板ヘルニアがある場合は、担当医に相談する
・いすは安定しているものを使用し、平坦で滑らない場所に置く
●腹筋・背筋・殿筋のストレッチ ※5秒間×10回
(1)両足を肩幅程度に開いて壁の前に立つ
(2)鉄棒などの物にぶら下がっているようなイメージで、腹筋・背筋、殿筋が伸びていることを意識しながら両手をまっすぐに上げる
(3)これを5秒間保ち、元に戻す
※実際にドアの上部や鴨居などにつかまって行うのもよい
●腹筋・背筋のストレッチ ※5秒間×10回
(1)うつ伏せになり、ひじを曲げて両手を顔の前あたりに置く
(2)反動をつけずに、腹筋や背筋を伸ばして腰をリラックスさせることを意識しながら、腕の力で上半身をゆっくり起こす
(3)これを5秒間保ち、元に戻す
もっとできる人は...
両手で支えられるところまで上半身を起こして、腰を伸ばしてもよい
●背筋のストレッチ ※5秒間×左右各5回
(1)いすに浅く座り、足を肩幅程度に開く
(2)反動をつけずに、前方の物を取るようなイメージで上半身を前方へ倒しながら、左腕を右斜め前のほうに伸ばす
(3)これを5秒間保って元に戻し、反対側も同様に行う
※息を止めずに行う。倒し方は浅くてもよいので、しっかり伸ばす
●腹筋・背筋・脚の筋力トレーニング ※5秒間×10回
(1)いすに浅く座り、両足をそろえ、両手はいすの端に軽く添える
(2)正しい姿勢を意識したまま、両足を床からゆっくりと浮かせて5秒間保ち、元に戻す
※いすにもたれたり、無理に足を高く上げようとせず、正しい姿勢を保つ
両足を浮かせるのが難しい人は...
片足ずつ行ってもよい
NHK「きょうの健康」2014年2月20日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140220-h-001.html