葉酸は、水溶性ビタミンの一種であり、胎児の先天性異常のリスクを低下させる働きをはじめ、貧血予防、母乳の出をよくするなど、さまざまな役割を果たしています。
特に妊婦の方の場合は葉酸を積極的に摂るよう推奨されていますが、一体、いつからいつまで、どの位の量を摂ると良いのでしょうか?葉酸を摂る時期や必要摂取量についてご紹介させていただきます。
いつから飲み始めればいいの?
葉酸は、細胞分裂に欠かせない栄養素であるため、受胎後、胎児が盛んに細胞分裂をする2週間から1ヶ月後の時期に摂ることが良いと言われています。この時期に葉酸が不足すると、先天性異常である神経管閉鎖障害や無脳症、流産のリスクが高くなると言われています。
しかし、日本人女性の約6割は予定外の妊娠をしているケースも多く、葉酸の摂取が一番必要な時期には妊娠をしていること自体に気づかず、葉酸の必要性についても産婦人科を訪れ、妊娠が判明して初めて知るケースがほとんどです。
そのため、妊娠が可能あるいは予定している女性の場合は少なくとも妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月ことまでには摂取することが望ましいとされています。
実は授乳中にも必要な葉酸
葉酸は、妊婦の方にとって重要な栄養素ですが、実は授乳中にも必要であることは意外に知られていません。葉酸はビタミンB12と共に、母乳の基となる血液を作るのに重要な栄養素となります。授乳期に摂取する葉酸は、母乳を介して赤ちゃんに栄養を送り届け、発育を促す役割を担っています。そのため、葉酸は妊娠前からと、授乳中も積極的に摂る必要のある栄養素なのです。
1日の必要量はどれ位?
通常の摂取量は約240㎍ですが、食品から摂取するのが難しい栄養分でもあるため、妊娠の予定がある方は、食事から摂取する以外に、サプリメントなどを活用して1日480㎍、授乳期の6ヶ月間は280~340㎍を摂取することが望ましいとされています。
葉酸は、妊婦の方に特に必要とされる栄養素ですが、貧血を予防したり、皮膚や粘膜を強くする働きもあるので、妊娠がわかる前だけではなく、普段から積極的に摂るように意識することをオススメします。