みなさんは「過敏性腸症候群」という言葉をご存知でしょうか?
この病気は20代から40代の方に多くみられる症状で、お腹の痛みや不快感にはじまり、下痢や便秘などの症状があるにも関わらず、その原因がはっかりとわかっていない腸の疾患なのだそうです。
今回は、過敏性腸症候群によるリスクや、その原因とされる腸内セロトニンについてお伝えします。
過敏性腸症候群の症状を引き起こす物質とは
過敏性腸症候群の症状には多種多様なものがあります。
例えば、大事な試験や会議の前などで緊張した時、腹痛と下痢の症状が突発的に起こることも多く、日常生活に支障が出る方もいるというのが現状です。
原因には、不規則な生活やストレスなどさまざまな要因が複雑に絡み合って関係しているそうですが、近年では「腸内セロトニン」が、過敏性腸症候群の症状を引き起こす物質であると考えられています。
腸内セロトニンって何?
幸福感を高める働きのある脳内物質「セロトニン」。もともとは腸内で作られている物質で、脳のセロトニンの量が2%であるのに対し、腸内のセロトニンの量はなんと90%なのだそうです。
また、セロトニンは脳がストレスなどのダメージを受けるとその信号が腸に伝達され、腸粘膜からセロトニンが分泌され、同じ腸内にある受容体と結びつきます。そのことによって腸の運動に異常が起こり、急激な腹痛や下痢が起こるといわれています。
過敏性腸症候群の方は、特に脳が受けたストレスの信号が一般の方よりも腸に伝わりやすく、セロトニンの影響を受けやすいと考えられています。
食生活や生活習慣を見直すことが大切
過敏性腸症候群は、緊張や不安などの心理的ストレスが誘因となって、腹痛や便秘あるいは下痢を引き起こす症状であり、排便によって改善するのが特徴です。
生命にかかわる病気ではないものの、慢性的になることも多いため、できるだけストレスを溜めないような生活を心がけることが大切であるといえるでしょう。
さらに、消化の悪いものや脂肪分を多く含む食品、あるいは乳製品によっても引き起こされる場合がありますので、食生活の改善を意識するのもよいかもしれません。