滋賀県草津署の警察官が27日、草津市野路の新宮会館で、高齢者約80人に時代劇形式の寸劇で特殊詐欺の手口を紹介し、被害に遭わないよう注意を呼びかけた。
昨年、県内では133件、総額5億4000万円の詐欺被害が発生。被害者の7割近くが65歳以上だったことや、金融機関の窓口や現金自動預け払い機(ATM)を避け、現金を直接送らせる手口が増えたことなどから、より効果的な啓発の試みとして高齢者にも親しみやすい時代劇を採用した。
同署の地域課や生活安全課の警察官4人が戦国武将の豊臣秀吉や黒田官兵衛に扮(ふん)して登場。秀吉の元に「100丁で3000万円の鉄砲が、今だけ1000万円」という書状が届き、手付金として100万円をレターパックで送りかけたが、官兵衛の調べで実在しない業者と分かり、寸前で被害に遭わずに済んだ、という内容だ。
書状を運んできた詐欺グループの足軽は、本来なら現金を郵送できないレターパックを持参して、内容品の欄に「参考書」と書かせるなど、細かい偽装の手口も再現した。だじゃれを入れて巧みに笑いを誘いながら、注意を呼びかけた。
(2014年2月28日 読売新聞)
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