[ カテゴリー:生活, 社会 ]

スタンドが溶けたスチームアイロン(相談解決のためのテストから No.62)

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

「スチームアイロン(コードレス)を使用中、電源を入れたまま5分から10分スタンドに置いていたところ、スタンドが溶融した。原因を調べてほしい。」という依頼を受けました。

当該品の温度設定を「高」にしたときのかけ面の温度を測定したところ、通電してから約15分後には最高温度で約250℃になりました。取扱説明書には温度設定が「高」のときのかけ面の温度は190℃と記載されていましたが、それに比べると60℃も高い温度でした。また、同型の商品についても同じ条件で温度を測定したところ、かけ面の最高温度は約180℃となり、当該品には何らかの不具合があるためにかけ面の温度が高くなっていると考えられました。

そこで、本体を分解して、かけ面の温度が一定の範囲内になるように調節をしているサーモスタットを観察したところ、温度の変化で曲がり方が変わるバイメタルが変形していることが分かりました。

サーモスタットは温度上昇とともにバイメタルが上方へ曲がることで、通電接点に連動する部品を押し上げて、設定した温度に達すると通電接点がオフになり加熱が停止する仕組みとなっていましたが、当該品はバイメタルが変形(曲がり)していたために、正常な場合と比べて高い温度にならないと通電接点がオフにならないため、かけ面の温度が高くなるものと考えられました。

しかし、かけ面の温度が当該品と同じ約250℃になるように調整した同型品を、約24時間スタンドに放置しても溶融の程度は非常に軽いもので、10分程度の短時間でスタンドが溶融した原因を特定することはできませんでした。

依頼センターが今回のテスト結果を事業者に伝えたところ、事業者からサーモスタットの安全装置機能の再確認を工場で実施するとの回答がありました。

 


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140220_4.html

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