佐渡金銀山の2017年度の世界遺産登録を目指す「佐渡金銀山世界遺産登録推進県民会議」の発足式が9日、新潟市中央区で行われた。佐渡金銀山のPRや保全活動を官民が一体となって行い、世界遺産登録に向けた機運を高める狙いだ。
発足式には一般客も含め約600人が出席。5日現在、会員には県や市町村、県内企業など計789団体が名を連ねる。
泉田知事は開会のあいさつで、佐渡金銀山で鋳造した小判が長崎港を経由して世界に流通していたことに触れ、「佐渡金銀山は国家財政を支えただけでなく、金融面から西洋と東洋のかけはしとなった全人類の共通の宝」と、郷土の誇りとして次世代に伝えていく意義を強調した。
会議の共同代表である県商工会議所連合会の福田勝之会頭は「世界的な遺産は地域だけでは守れない。オール新潟で守っていくため、県民にその価値を理解してもらい、世界へPRしていきたい」と会員を鼓舞した。
同会議は4月にホームページを作るほか、「佐渡を世界遺産に」と書かれたロゴマークを制作して県内企業の名刺に記載してもらったり、ステッカーを業務用車両に貼ってもらったりして世界遺産登録への意識を高めるほか、講演会を開催して佐渡金銀山への理解促進を進める。
県教育庁世界遺産登録推進室によると、佐渡金銀山は400年以上にわたる金銀の採掘と製錬に関する遺跡が良好に保存された世界的にも貴重な遺産。10年に世界文化遺産登録を目指す国内の候補地リスト(暫定リスト)に掲載された。