佐渡市徳和の酒造会社「北雪酒造」は4日から、全国でも珍しい遠心分離機を使った新酒を市内で限定販売する。機械の開発者を招いて始めた品質改革の一環で、ほかの商品に利用することも検討している。
同社は昨年春、遠心分離機を開発した秋田県醸造試験場の田口隆信さん(61)が定年退職したのを機に、製造部最高顧問として迎え入れ、導入に取り組んできた。
酒造りの終盤の工程である、酒の元のもろみを搾る「圧搾」の作業で機械を利用することで、「大気中に放出されてしまうフルーティーな香りを保持し、品質も一定に保てる」(田口さん)という。
田口さんが開発した機械は、第1号として山口県岩国市の「旭酒造」の「獺祭(だっさい)」の製造に導入され、日本酒好きの間で話題を呼んだ。以来、全国十数社で導入され、県内でも2社が利用している。
北雪酒造の遠心分離機は、昨年10月に稼働し、1日で4合瓶(720ミリ・リットル)を200本ほど製造できる能力を確保したという。そこで今回、立春の4日に毎年瓶詰する縁起物の新酒「立春大吉」に初めて利用することにした。
「立春大吉」は4日、600本が瓶詰される予定で、同社と、佐渡市内の小売店業者らでつくる「佐渡北雪会」加盟の11店舗で限定販売される。720ミリ・リットル入り1本1500円(税込み)。予約・問い合わせは、同会事務局(0259・87・3105)へ。










