親なら誰しも時には自制心を失い、子供を怒鳴りつけてしまうことがある。しかし、繰り返し子供を怒鳴りつけることに弊害はないだろうか。
親が子供を怒鳴る回数が以前より増えたとする報告書が発表された。世間では平手打ちを避けるよう言われているので、親たちは大声で叫ぶことで怒りやいら立ちを解消している。この報告書によると、親は平均1月に1回、いたずらをしたり怒らせたりしたという理由で10代までの子供に大声を上げている。そしてセラピストや育児の専門家は、このような親の言動が子供をどれだけ傷つけているかを以前より強調するようになり、同時にこうした叱り方をいかにして止めるかを説いている。
大声を上げるのが必ずしも悪いわけではない。親業トレーナーのアデル・ファーバー氏は、大きな声で問題点を説明すれば誰も傷つけずに注意を喚起することができる、と語る。ただし「どうして覚えられないの」、「あなたはいつもここを間違えるのね」といった一言で子供を個人的に攻撃したり、けなしたり、責めたりすれば、子供の心を大きく傷つけることになるという。
多くの親は子供のいたずらや反抗的な態度を自分に対する当てつけと受け止めてしまうために自制心を失う。今月発行の心理学専門誌、家族心理学ジャーナルによると、子供の否定的な感情を予想外で手に負えないものと考える親は、わき出てくる感情に恐怖感やいらだちを覚えることが多い。「情動の氾濫」と呼ばれるこうした症状は親子関係に悪循環をもたらす。親の問題解決能力を弱め、叫んだり怒鳴ったりという感情的な反応をあおることになる。
http://news.goo.ne.jp/article/wsj/life/wsj-20140131-01.html