冬は日照時間が短いことで、体のリズムが崩れやすい。屋内外の寒暖差が激しいことでも体にとってはストレスになる。そこでストレス解消に繋がるリラックス法を紹介する。
1.冬はストレスがたまりやすい
冬は、知らず知らずのうちにストレスがたまりやすい季節です。日照時間が短くなると、体の日内リズムが崩れやすく、うつ傾向になりやすいといわれています。また、屋内外の寒暖差が激しいことや体の冷えも、ストレスになります。そのため、ストレスが体に悪影響を及ぼさないよう、ふだんの生活に自分がリラックスできる方法を取り入れることが大切です。
なかでもお勧めなのが、手や腕などに意図的に力を入れてその後の脱力を感じる体操、筋弛緩法(きんしかんほう)です。筋肉を収縮させてから弛緩させることで「筋肉がリラックスした」という信号を脳に送り、脳の興奮を抑えて体と心をリラックスさせる効果があります。
2.脱ストレスの体操をやってみよう
注意!
運動制限を受けている場合は確認してから行う。
いすを使う場合は安定しているものを平坦で滑らない場所に置く。
●まずは腹式呼吸を身につける
体操中は、6秒ほどかけて口から息を吐き、3秒ほどかけて鼻から息を吸う、腹式呼吸を心がけます。これを数回繰り返すだけでもリラックスできます。
●筋弛緩法
手、腕、背中、肩、首、顔、おなか、足、それぞれで70~80%の力で“ギュッ”と収縮させて、 “パッ”と脱力して弛緩することを数回ずつ繰り返し行います。食後2時間以内を除けばいつ行ってもよいので、毎日続けられるよう行うタイミングを決めておくとよいでしょう。すべての体操を2~3回ずつ行うのが基本ですが、難しい場合は疲れや筋肉の緊張を感じる部位だけでもかまいません。また、収縮と弛緩の時間は目安なので、気にしすぎないように行いましょう。
ポイント
・筋肉の収縮とリラックス状態を意識する
・ゆっくり呼吸
●【手】
(1)両腕を前に伸ばし、手のひらを下にして親指を包むように握り拳をつくる。
(2)拳にギュッと力を入れ、10秒ほどたったら脱力して両腕を下ろし15秒ほどリラックスする。
●【腕】
(1)両腕を前に伸ばして両手で握り拳をつくる。
(2)両腕に力を入れて握り拳を肩に近づけるように両ひじを曲げ、10秒ほどたったら脱力して両腕を下ろし、15秒ほどリラックスする。
● 【背中】
(1)両腕を体の左右へ伸ばし、両ひじを曲げる。
(2)左右の肩甲骨を引き寄せるように背中に力を入れ、10秒ほどたったら脱力し、15秒ほどリラックスする。姿勢を意識して行う。
● 【肩】
(1)体を正面に向けた状態で両肩に力を入れて肩をすくめる。
(2)10秒ほどたったら脱力して両肩を落とし、15秒ほどリラックスする。
● 【首】
(左右)
(1)正面を向いた状態から、ゆっくりと顔だけを右に向け、10秒ほどたったら脱力して顔を正面に戻し、15秒ほどリラックスする。
(2)同様に左側も行う。
(前後)
(1)正面を向いた状態から頭だけをゆっくり前へ倒し、10秒ほどたったら脱力して顔を正面に戻し15秒ほどリラックスする。
(2)同様に後ろ側へも行う。
● 【顔】
(上半分)
(1)顔を正面に向けた状態でおでこにしわをつくるように眉を上げ、10秒ほどたったら脱力して15秒ほどリラックスする。
(2)次に目を大きく見開き、10秒ほどたったら脱力して15秒ほどリラックスする。
(3)最後に目をギュッと閉じ、10秒ほどたったら脱力して15秒ほどリラックスする。
(下半分)
(1)顔を正面に向けた状態で舌を前に伸ばし、10秒ほどたったら脱力して15秒ほどリラックスする。
(2)次に口をすぼめて突き出すようにし、10秒ほどたったら脱力して口をぽかんと開けるようにし、15秒ほどリラックスする。
● 【おなか】
(1)あおむけになって両手をおなかに当てる。
(2)腹式呼吸で息を吸ったときに、両手でおなかを押し返す。
(3)息を吐くときに両手の力も抜き、リラックスする。
● 【足】
(足首を伸ばす)
(1)あおむけになって両脚を伸ばし、両脚の前側やつま先に力を入れ、足首を伸ばす。
(2)10秒ほどたったら脱力して15秒ほどリラックスする。
(足首を曲げる)
(1)あおむけになって両脚を伸ばし、両法のふくらはぎや足の裏に力を入れて足首を曲げる。
(2)10秒ほどたったら脱力して15秒ほどリラックスする。
NHK「きょうの健康」2012年12月20日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/medical/kenkotoday-20121220-h-001.html