[ カテゴリー:生活, 食の安全 ]

豆乳等によるアレルギーについて-花粉症(カバノキ科花粉症)の方はご注意を-

目的

健康志向の高まりから、大豆を主な原材料とする飲料(以下、「豆乳等」(注))の人気が高まっている。

一方、国民生活センターのPIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、豆乳等により、皮膚や粘膜のかゆみ、赤み、腫れ、じんましん、呼吸困難等のアレルギー症状を発症したという相談が2008年度以降の約5年間で15件寄せられている(2013年10月末までの登録分)。寄せられた相談の中には、豆腐など他の大豆加工食品ではアレルギー症状が出ず、豆乳等を飲んだ時に発症したという事例もみられた。 大豆による食物アレルギーは、大豆を原材料とした食品を食べたことにより発症する症例と、主にカバノキ科花粉症の患者が、豆乳などを摂取した際に発症する「口腔(こうくう)アレルギー症候群」が知られており、近年、花粉症の増加に伴い、後者の症例が増加しているとされている。

そこで、カバノキ科植物の開花時期(1月~6月)を迎えるにあたり、豆乳等によるアレルギーについて専門家へのヒアリングを行うとともに、市販の豆乳等の表示を調査し、消費者に注意喚起することとした。

  • (注)本件においては、「豆乳類の日本農林規格」で規定された「豆乳」、「調製豆乳」、「豆乳飲料」と、その他、大豆を主な原材料とする飲料を含め、「豆乳等」としました。

 

主な相談事例

【事例】
スーパーで試供品として125ml入りの大豆飲料を試供品として母がもらってきた。夕方に母が家で半分ほど飲んだところ、約15分後にせきと痰(たん)、目のかゆみ、腫れ、鼻水が出てきた。すぐに病院を受診したところ、アレルギー反応と診断された。何に対するアレルギーかは検査していないため分からないが、母はこれまで大豆アレルギーを発症したことはない。
【事例】
娘が調製豆乳を飲んで会社に出かけたところ、途中で気分が悪くなり、タクシーで病院へ行った。顔が真っ赤になりじんましんが出て呼吸困難もあり、1日入院した。診断書には「アナフラキシィ」と書かれている。娘は、大豆アレルギーなどはなく、豆腐を食べても大丈夫であり、今までも豆乳を飲んだことはあるが、アレルギー症状を起こしたのは初めてである。
その商品には、「大豆アレルギーの可能性のある場合は十分注意してください」、「他の大豆食品によりアレルギー症状が出ない人でも、ごくまれにアレルギー発症例がありますので、初めての飲用の場合や体調不良の時はごく少量でのご試飲をすすめる」との注意表示があった。

 

消費者へのアドバイス

カバノキ科の花粉症の方やりんご、ももを食べて喉がかゆくなる方は、今後豆乳による口腔アレルギーを発症する可能性がありますので、注意が必要です。豆乳等を摂取してアレルギー様の症状が出た場合は、直ちに医療機関を受診しましょう

 

業界への要望

消費者が豆乳等によるアレルギーについて正しい知識を身に付けられるよう、積極的に啓発するとともに注意表示を拡充するよう要望します

 

要望先

  • 日本豆乳協会

 

情報提供先

  • 消費者庁 消費者安全課
  • 消費者庁 食品表示企画課
  • 消費者委員会事務局
  • 日本豆腐協会

 

業界の対応 ※2014年1月17日 追加

「日本豆乳協会」より

日本豆乳協会として以下の対応を行う。

  1. 商品への注意喚起表示
  2. 協会HPへの注意喚起ならびに情報の掲載

商品への注意喚起表示について

推奨表示例(商品に下記に類する表示を行う)
「大豆アレルギーの方はお控えください。他の大豆食品でアレルギー症状が出ない方でも、ごくまれにアレルギー発症例がありますので、少量からの試飲をおすすめします。」
〈上記表示例内容の補足〉
上記の注意喚起は2つの意味を持つ。「大豆アレルギーの方はお控えください」では、大豆たんぱく質を吸収することにより発症する「クラス1」タイプの従来型大豆アレルギーに対する注意喚起。以降の「他の大豆食品で~」は、今回のカバノキ科花粉症との交差反応を含めた「クラス2」タイプの食物アレルギーに対しての注意喚起。
国民生活センターから公表されたカバノキ科花粉症を条件とした豆乳等で発症する交差反応については、詳細な統計データや明確な因果関係が示されていない。アレルギー発症は環境や体調などにも左右されることがあり明確な条件を記載できないことから表示内容としては「カバノキ科花粉症」に限定せず、広い範囲での表示例とした。またアレルギーは飲用経験の多少に関わらず突然発症することもあるため、「初めて飲用される場合」等の限定的な表現も表示例では含めていない。なお、「カバノキ科花粉症」、「初めて飲用される場合」等の追加表示、情報提供は各社判断によるものとする。
協会加盟各社が注意喚起を表示する商品の範囲
一般消費者向けの豆乳類(豆乳、調整豆乳、豆乳飲料)とする。
注) 業務用、加工用の豆乳類、豆乳を含む二次加工品については、各社判断によるものとする。
表示までの猶予期間
2013年12月19日より1年以内を目処に表示する。

日本豆乳協会 事務局長 吉澤兄一

 


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20131205_1.html#taiou

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