舛添要一元厚生労働相、細川護煕(もりひろ)元首相の出馬表明で「脱原発」の是非が大きな争点になった東京都知事選挙(23日告示、2月9日投開票)に、東京への電力供給地である新潟県の泉田裕彦知事と柏崎市の会田洋市長がいずれも15日、原発への議論が深まるとして歓迎する意向を示した。
泉田知事は同日の定例記者会見で、都知事選について「エネルギーの大消費地で、(原発という)国民的課題を大いに議論してもらいたい」と述べた。
都は東京電力の筆頭株主で、選挙結果が柏崎刈羽原発の再稼働に影響を及ぼすのでは、と問われた泉田知事は「再稼働議論の前に、福島の事故の検証と総括が必要だ。(東日本大震災の発生から)2カ月たたないとメルトダウン(炉心溶融)していたのか分からない会社に原発を運転する資格はない」と、これまでの主張を繰り返した。
ただ、政策の具体的な中身や特定の候補予定者の評価については「他の自治体の選挙に知事としてコメントしない」とかわした。
一方、会田市長は同日の定例会見で、「東京で原発をめぐるさまざまな議論が交わされ理解が深まるという点で意義がある」と述べ、歓迎した。
会田市長は「原発立地地域の最大の課題は安全性の確保。自分たちの問題として消費地がどこまで考えているか」と指摘。柏崎刈羽原発の安全設備と住民避難計画との整合性など、立地自治体が注視する問題に消費地が関心をもつ必要性を説いた。
都知事選の影響などで閣議決定が2月以降にずれ込む可能性が高まった政府の「エネルギー基本計画」原案については、「玉虫色だ。(原発比率について)『可能な限り低減させる』と表現しながら、『基盤となる重要なベース電源』としており、はっきりしない」と述べ、将来の原発を含む電源の構成比率や考え方を明確に示すべきだと注文を付けた。
また、「いつまでも原発に大きく依存することは許されない。エネルギーや環境関係の産業誘致など原発依存度を下げるのが課題だ」とも述べた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140116-00000036-san-l15