透析患者でつくるNPO法人「兵庫県腎友会」(神戸市中央区)は、地震などの災害発生時、透析施設の被災状況などを会員患者に一斉にメール配信する事業を始めた。阪神・淡路大震災や東日本大震災では、治療を継続している透析施設がどこにあるか分からず、症状が悪化した患者が相次いだため。17日にはメール配信による初の災害想定訓練を実施する。
県内の透析患者は約1万3千人で、うち会員は約6200人。患者は腎臓機能が低下し、2~3日ごとに人工透析を受けなければ命の危険にさらされる。
同会は阪神・淡路以降、災害時の支援に生かすため、病状や治療薬を書いた紙や手帳を患者に常備するよう呼び掛け、同意を得た人の名簿を市町に提供するなどの対策を進めてきた。
メール配信はNTTドコモのサービスを活用し、昨年3月に利用者の登録を始めた。災害時には県透析医会の協力を得て透析施設の被災状況を送信し、患者の安否確認用のメッセージや避難所の開設状況、被災後に自宅や避難所で気を付ける点なども情報提供する。
普段は会のイベント情報も提供するほか、アンケートを実施して安否確認の訓練にもしたい考え。
既に会員の1割に当たる約600人が登録。患者の高齢化が進んでいることから、代わりに家族が登録するケースもこのうちの1割近くあるという。
県腎友会事務局長の浅野兵庫さん(46)は「患者会からだけではなく、透析施設が主体となって患者に情報提供できる仕組みも考えている。治療継続に必要な情報を素早く的確に届けたい」と話す。
同会TEL078・371・4382
(金井恒幸)
http://news.goo.ne.jp/article/kobe/life/medical/kobe-20140115007.html