野球少年の肘の故障、いわゆる「野球肘」を防ごうと県内の医師、少年野球団体らが協力している。肘の検診、野球教室、指導者や保護者へのPRなどを通じて、子供たちの体を守る活動を推進しており、全県的な取り組みは全国でも珍しいという。
昨年12月21、22の両日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで、「新潟青少年ベースボールフェスタ」が開かれた。主催は少年野球団体や医師らでつくる県青少年野球団体協議会。
整形外科医らがリトルリーグや学童野球の小学生の肘を超音波などで検診。535人が受診し、8人に異常が疑われた。
屋内練習場では、新潟医療福祉大学や社会人、バイタルネットの野球部による正しいフォームを学ぶ少年野球教室も開かれた。
同大学の佐藤和也監督(元新潟明訓高校監督)は、少年野球の指導者らに、肩甲骨を使う正しい投げ方などを教えた。
佐藤監督は「14歳くらいまでは、余計な動きを覚えないようにしないといけない。半分の子供は故障してしまうフォームだ」と指摘。故障しない技術を全県で統一して指導すべきだとしている。
活動の中心となっている山本智章・新潟リハビリテーション病院長によると、野球肘の原因は、(1)悪い投げ方(2)投げ過ぎ(3)体質や家庭環境-にあるという。故障防止には、選手だけでなく指導者・保護者の意識を「無理しても練習」から「故障の早期発見・早期治療」に改めないといけないと強調する。
活動は平成18年に始まり、長岡や新発田、佐渡、上越、柏崎など県内各地に広がっている。
昨年の長岡市の検査では、中学生70人の肘の故障は0だった。3年前は約10%いたので、小学生から検査したことが功を奏したのではないかと、山本院長は話しており、「肘のチェックは当然という意識を全国に広げていきたい」と意欲を燃やしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140114-00000035-san-l15