必死で就活に取り組んでいるのに、なかなか思うようにいかない――、そんな状況が続けば誰でも自尊心を打ち砕かれ、気分も沈みがちになるもの。就活を機にうつを発症したり、追い込まれたりしないためにはどうすればいいのでしょうか。精神保健福祉士、産業カウンセラーとして就活生の相談も数多く引き受ける大美賀直子さんに、「就活うつ」にならないための心の保ち方についてうかがいました。
●カウンセラーに相談
両親や親友、恋人など身近な人に相談するのもいいのですが、弱気な姿勢を叱責され、精神的にますます追い詰められてしまうケースも少なくありません。そこでまずは大学内のキャリアセンターや就職支援センター、学生相談室など、身近にある相談窓口を訪れ、カウンセラーに話を聞いてもらいましょう。また、若者の就職支援のために都道府県を中心に設置されている「新卒応援ハローワーク」や「ジョブカフェ」では、キャリアカウンセラーが就職に関するさまざまな相談に応じています。そのような窓口を利用し、自分の今の素直な気持ちを吐き出してみることです。そして専門家と一緒に自分の就活の課題について考えてみましょう。
●オール・オア・ナッシング思考からの脱却
「新卒で大手企業に就職できなければ負け組」というような「オール・オア・ナッシング思考」は、就活生に特有の認知のゆがみ(考え方のクセ)です。このような極端な思考は就職先の選択肢を狭め、本来自分がやりたいはずの仕事を見失ってしまうことにもつながりかねません。内定をもらうことがゴールではなく、重要なのは就職した後、自分がどのようなキャリアを築いていきたいかということ。「オール・オア・ナッシング思考」になっていないか自分自身を振り返り、広い視野で就活に臨むことが大切です。
●疲れたら一旦休んでみる
休みなく就活を続けていると心身の疲労が蓄積していきます。企業研究も疎かになり、ますます悪循環に陥ってしまいます。そんな時は、一旦就活から離れてみる勇気も必要です。気分転換をして再び活動する元気を取り戻すことができたら、カウンセラーのアドバイスを受けながら、自分らしい働き方について考えていきましょう。
就活がうまくいかないと自分自身をも否定されたような気持ちになりますが、決してそうではありません。それでも精神的に追い込まれてしまった場合は、すぐに専門家に頼れるよう、日頃から就職や心の問題について気軽に相談できる機関を見つけておくと安心です。
文●高野愛
大美賀直子先生プロフィール
All About「ストレス」ガイド。精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を持つ。現代人を悩ませるストレスやメンタルコントロールに関する著書多数。都内私立大学の学生相談室でカウンセラーとしても活動する。
All About「ストレス」:http://allabout.co.jp/gm/gt/1807/
http://news.goo.ne.jp/article/freshers/bizskills/fresherscol201401post-577.html