[ カテゴリー:生活, 食育 ]

風邪に負けない食養生 胃に負担かけず症状に合わせ

1月20日は大寒。一年のうちで最も寒さが厳しいとされ、風邪がはやる時期でもある。風邪は十分な休息と睡眠、そして適切な栄養補給が回復の鍵になるのは言うまでもない。どんな食事を心掛けたらいいか-。(榊聡美)

◆スタミナ食は「×」

正月休みは就寝や食事の時間が不規則になり、生活のリズムが乱れがち。つい、こたつでうとうとし、風邪をひいてしまった、なんて人もいるだろう。

「ごちそう続きで暴飲暴食を重ね、胃腸が弱っている人も少なくないと思います。食事から必要な栄養素がうまく取れないため、抵抗力が落ちて、この時期に風邪が悪化してしまうこともあります」

こう話すのは、管理栄養士の山内寿子さん。「とにかくスタミナを」と、焼き肉やステーキを食べるのは逆効果。脂肪や繊維質の多い食べ物は消化に時間がかかる。胃に負担がかからず、消化に良い食事を心掛けたい。

刺激物や生ものもNG。野菜は生だと体を冷やしやすい。汁物に入れ、水溶性のビタミンなどが溶け出した汁ごと食べるのがいい。

◆まずは補給

山内さんに、風邪の主な症状別に食事のポイントを教えてもらった。

【熱があるとき】

体の水分が失われてしまうので、まずは水分補給を十分にする。体温の上昇とともに消費されるエネルギーを補給することも大切。

ご飯や麺類といった炭水化物が望ましいが、口にできない場合は糖質を。アイスクリームやプリンは少量でも高カロリーで、口当たりも良い。免疫力を高めるため、ビタミンCが豊富なレモネード、ユズ茶もお勧めだ。

【鼻水・鼻づまりがあるとき】

鼻の粘膜を強化するにはビタミンAが役立つ。β-カロテンが豊富なカボチャ、ニンジン、ホウレンソウなど緑黄色野菜を使った温かい汁物で発汗を促す。体を芯から温めるショウガ、殺菌作用のあるネギをプラスするとさらに効果的。

【せきや喉の痛みがあるとき】

辛味、酸味の強いもの、熱いものなど喉に刺激を与える食べ物は避ける。汁物や煮物は、かたくり粉でとろみを付け、喉ごしを良くして、人肌程度の温かさで。鼻同様、喉の粘膜強化にもビタミンAが有効なので、緑黄色野菜のポタージュも好適だ。

【下痢・吐き気があるとき】

失われた水分と、ナトリウム・カリウムなどのミネラルを補給する。味の濃いものや脂っぽいものは避け、おかゆや汁物など消化の良いものを取る。ただし、無理をせず、様子を見ながら少量ずつ口にする。食べ物を受け付けない場合は、スポーツ・機能性飲料やゼリー飲料を利用する。

◆みかんは薄皮ごと

定番のおかゆも一手間でぐっとバランスが良くなる。消化を助けるジアスターゼがたっぷりの大根やカブ、体を温めるショウガをすり下ろして加えたり、軟らかく煮たカボチャやジャガイモを潰して加える。

鶏ささ身や白身魚(タイやタラなど)、豆腐、卵などを加えれば、タンパク質が補える。

一方、風邪の予防には、こんな食習慣を勧める。

冬のビタミンCの供給源といえばミカン。近年は、ミカンに含まれる色素で、カロテノイドの一種、β-クリプトキサンチンが免疫力を高める効果などで注目を集める。

「薄皮や筋に多く含まれる成分なので、除かずに薄皮ごと食べるのがお勧めです」(山内さん)

体を温めるショウガは、乾燥させた方がより効果的だという。薄切りにして2、3日天日に干し、冷凍保存する。冷凍のまま、汁物や紅茶に加えればOK。

「日頃からバランスの良い食事を心掛け、抵抗力・免疫力を高めておく。それが、あらゆる病気を遠ざけることにつながります」と、山内さんは話している。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140112/trd14011209000002-n1.htm

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140112/trd14011209000002-n2.htm

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140112/trd14011209000002-n3.htm

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